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研究者エッセンス文庫

著名研究者の業績を特徴づける主要な論文、著作、研究資料等をコンパクトにまとめ収蔵し公開しています。

研究者

(整備順)

巽 和夫(たつみ・かずお)1929〜2012

先生は建築学の一分野としての建築経済分野の確立と発展に貢献し、とりわけ、建築生産論、ハウジング論、建築企画論、行政建築家などの新たな研究分野を切りひらいた。昭和51年(1976)「住宅生産・供給に関する一連の研究」で日本建築学会賞・論文賞を受賞、平成17年(2005)「建築・住宅における社会・経済システムの再編に関する研究と実践活動の功績」で日本建築学会大賞を受賞した。
また、建築経済分野と建築計画分野の境界領域の研究にも取り組み、住宅生産・供給に関する研究をふまえて、都市型社会に適合した居住形態を支える都市型ハウジングシステムの研究とともに、数多くのモデル的・実験的プロジェクトに関与してきた。
一方、国の住宅宅地審議会や建築審議会、地方自治体の住宅審議会や開発審査会、建築審査会などへの参加を通じて、転換期を迎えているわが国の住宅政策や建築政策の改革に大きな影響を与えてきた。
さらに、建築・住宅における社会・経済システムの再編に関する研究と実践活動とともに、若手研究者の育成、研究と実務の交流、研究成果の社会的普及などに寄与した。

(「巽和夫先生追悼の集い」発起文より)

●経歴

  • 1929年 京都府生まれ
  • 1953年 京都大学工学部建築学科卒
  • 1958年 建設省建築研究所研究員
  • 1962年 京都大学大学院工学研究科博士課程修了
  • 1966年 京都大学助教授
  • 1968年 京都大学教授
  • 1976年 日本建築学会賞受賞
  • 1993年 京都大学名誉教授、福山大学教授、
                 巽和夫建築研究所代表取締役
  • 2012年 11月6日逝去(享年83歳)
                

●住総研関連【役員・委員等】

  • ・研究運営委員(1977〜1990)
  • ・住総研評議員(1987〜2011)
  • ・第1回住総研清水康雄賞推薦人(2008)
  • ・住総研顧問(2011〜2012)

内田雄造(うちだ・ゆうぞう)1942〜2011

専門は、都市マスタープラン策定など都市計画、住民参加のまちづくり論、日本の近代都市計画史から歴史的なまちなみの保全、住宅計画とくに被災時の仮設市街地の計画に関する事例研究から不良住宅改良事業における不良住宅地区の環境整備計画、また災害に強いまちづくり、中心市街地活性化など。
一方で学生運動と東大病院北部棟問題、国立歩道橋反対運動、日照権運動、高知同和地区整備・土佐市被差別部落での地区環境整備計画(1975年〜 )立案を発端とした一連の同和地区でのまちづくりから部落解放同盟・部落白書づくり運動等と各地の同和地区のまちづくり展開に取り組んだ。
また、たまごの会、アジアの草の根の居住改善グループ交流からACHR設立、北方まちづくりとマンション建替借家人問題、外国人居住問題と住民参加のスラム改善といった改善問題や、川越市一番街のまちづくり、巣鴨の地蔵通り商店街のまちづくり、長岡市山古志地区の復興まちづくり等々の様々な種類のまちづくりにも尽力した。

(ウィキペディアより)

●経歴

  • 1942年 朝鮮慶尚北道大邱生まれ
  • 1965年 東京大学工学部建築学科卒業
  • 1967年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
  • 1970年 東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得退学
                 東洋大学工学部建築学科助手
  • 1975年 東洋大学工学部建築学科講師
  • 1978年 東洋大学工学部建築学科助教授、一級建築士
  • 1990年 東洋大学工学部建築学科教授
  • 2011年 1月26日逝去(享年68歳)
                

●住総研関連【役員・委員等】

  • ・図書情報委員(1985〜1989)
  • ・江戸東京フォーラム委員(1986〜1998)
  • ・研究運営委員(1998〜2003)
  • ・評議員(2007〜2011)
  • ・清水康雄賞選考委員長(2008〜2010)

小谷部 育子(こやべ・いくこ)1944〜

住宅および公共建築の設計を行うとともに、1988年からスウェーデン・デンマーク・オランダに於けるコレクティブハウジング調査を行い、新しい住まい、ライフスタイルとしてコレクティブハウジングを日本に紹介した。アーバンコレクティブハウジングの提案(1990年)し、1993年には普及推進のための活動グループALCCを立ち上げた。2001年にNPOコレクティブハウジング社を設立し、2003年に「コレクティブハウスかんかん森」を誕生させた(企画・設計・コミュニティ形成総合コーディネート)。新しい家族像を模索するコレクティブハウジングの先駆的研究と実践を行っている。
また、国土交通省社会資本整備審議会建築分科会建築物バリアフリー対策部会部会長(2001年)や国会少子高齢社会に関する調査会高齢期の住生活環境に関する参考人(2007年)を勤めるなど住生活向上への国策に寄与した。

●経歴

  • 1944年 東京都生まれ
  • 1966年 日本女子大学家政学部住居学科卒
                 建築設計事務所第一工房勤務(〜1985)
  • 1983年 コーネル大学大学院修士課程修了
  • 1985年 日本女子大学専任講師
  • 1992年 ストックホルム王立工科大学客員研究員
  • 1997年 日本女子大学教授
  • 2008年 第1回住総研清水康雄賞受賞
  • 2012年 日本女子大学名誉教授
                一級建築士、工学博士
                

●住総研関連【役員・委員等】

  • ・コレクティブハウジング研究委員会委員長(2006〜2008)
  • ・第1回住総研清水康雄賞受賞(2008)
  • ・住総研評議員(2011〜)

鈴木成文(すずき・しげぶみ)1927〜2010

東京大学在学中に吉武泰水研究室に所属し、吉武が提唱した「公営住宅標準設計51C型」の設計に参加した。建築計画学を専門とし、1960〜1980年代初めにかけて、東京および近県を中心に団地等の集合住宅における住まい方の実態調査を多数行い、住宅計画研究の発展に寄与した。集合住宅の計画に関する一連の研究で1968年度の日本建築学会賞(論文)を受賞、2001年には、「住まいを中心とした建築計画研究の確立と建築教育の発展に対する貢献」が認められ、日本建築学会大賞を受賞した。「51C」については、著書『五一C白書』(住まいの図書館出版局)、『「51C」家族を容れるハコの戦後と現在』(平凡社 ※共著)で述べられている。
その他、同潤会大塚女子アパートの保存を提言、住居の公共性の立場から、2000年に施行された住宅性能表示制度に反対した。教育面では、神戸芸術工科大学の設立に関わり、学長に就任した。また、同大学の留学生支援のために文文会留学生奨学金を創設し、住宅研究における国際交流や大学の発展に寄与した。

●経歴

  • 1927年 東京生まれ
  • 1950年 東京大学第一工学部建築学科卒業
  • 1955年 東京大学大学院(旧制)修了
  • 1957年 大阪市立大学理工学部建築学科専任講師
  • 1959年 東京大学工学部建築学科助教授
  • 1974年 東京大学工学部建築学科教授
  • 1988年 東京大学定年退官、東京大学名誉教授
                神戸芸術工科大学設立準備委員
  • 1989年 神戸芸術工科大学教授
  • 1995年 神戸芸術工科大学副学長兼務
  • 1998年 神戸芸術工科大学学長、神戸芸術工科大学名誉教授
  • 2002年 神戸芸術工科大学学長退任
  • 2010年 3月7日逝去(享年82歳)
                

●住総研関連【役員・委員等】

  • ・研究運営委員(1973〜1989)
  • ・評議員(1986〜1993)
  • ・理事(1993〜2010)

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