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ごあいさつ -年度はじめにあたり-2022.4.1

道江紳一(写)

令和4年度の期首にあたり、ごあいさつ申し上げます。
住総研は2011(平成23)年に公益法人制度改革のもと、一般財団法人として新規スタートを切ってから11年目を迎えております。引き続き、皆さま方のご支援をよろしくお願い申しあげます。2018年度からの創立70周年記念事業(5年間)も順調に実施され、最終盤の活動に取組んで行く予定でございます。

一昨年より世界的に拡大した新型コロナウィルスへの対応はいまだに続き、ウィズコロナの常態化で何をすべきかが問われ始めています。さらに世界的には今年に入ってから不安定な事態が発生し、社会・経済的にも予断を許さない状況が継続しています。その中でも“住まい”がクローズアップされている事は間違いありません。すなわち、住まいが単なる安らぎの場でだけではなく、仕事の場としても学習の場としても、また遊びの場としてもその重要度を見直され(学・職・遊・休)、郊外か都心かという居住場所の問題や、住まいの周辺の環境とともにその本質が改めて注目されています。
また、2050年カーボンニュートラルへの対応が提示されました。二酸化炭素排出の15%は家庭部門からであり、2030年までには家庭部門で66%の削減が求められています。この目標に対処するべく、国の対策も今後真剣にかつ現実的に取り組まれることが予想され、省エネや脱炭素住宅に向けての具体的な方策を私共一人ひとりの問題として考えていかなければなりません。しかし、家庭部門のCO2排出量はコロナ禍の中で逆に増加しています。また昨年来、光熱費が家庭のコストにもすでに大きく影響が出ていますが、皆さんの家庭ではお気付きでしょうか。この課題は今年度の住総研シンポジウムでのテーマになっております。

住総研は定款にありますように「住まいに関する総合的研究・実践並びに人材育成を推進し、その成果を広く社会に還元し、もって住生活の向上に資すること」をミッションとし、また、毎年定める重点テーマをヴィジョンとしてその活動を行っており、「研究」と「実践」の2つが軸となっております。そうした観点からの情報発信や提言をしていきたいという事でございます。
昨年度は、助成を受けた研究・実践の活動が予定通りにはいかず、延期するケースも多くなってきておりますが、助成金の総額や1件当たりの金額を従来よりも増やして募集をしております。コロナ禍は住まいの本質を考える絶好の機会となったと捉え、前向きな研究や実践が今後増えていくものと期待をしております。

「住まい読本」として昨年度は「住まいから問うシェアの未来」(2021年7月)を刊行しました。 本年度は重点テーマのまとめとして「あこがれの住まいとカタチ」(2022年7月)、および「和室礼賛」(2022年秋)を発刊する予定です。いずれも分かりやすく、かつ深い内容ですので専門家の方だけでなく、是非一般市民の方もぜひお読み頂ければ幸いでございます。
また、「和室の絵本」編集委員会を継続し、「和室ってなぁに」「和室にくらす」「和室をつくる」という児童・学生向けの絵本(3冊)を発刊する予定で取り組んでおります。日本の歴史的な文化・伝統である「和室」の世界を子どもたちに向けて発信したいと考えています。

この11年間は重点テーマを毎年度設定し、委員会による調査・研究をしておりますが、今年度は「脱炭素時代の住宅のグレートリセット」をテーマとしたシンポジウムや出版の準備をしております。また、「住まい造りの将来像」研究委員会の継続、および新たに「(仮)郊外住宅地のエリアマネージメント」研究委員会の立ち上げを致します。

既に48年間続けている研究・実践助成も今までの助成総計が一千件を超えました。「研究・実践助成」と名称を変え、より多くの実践を伴い、社会に対する貢献が目に見える形となった研究や実践に対しての助成を金額を拡大して推進し始めております。是非ご応募、ご活用ください。また、8年目となります「博士論文賞」も継続していく予定です。また、今年は3年に1度の清水康雄賞の表彰式・講演が11月14日に開催予定されております。

また、「すまいろん」では、2022年2月の特集テーマ「店舗付住宅・再興」に続き、今後は「(仮)70年代住宅とともに生きる」(同8月予定)はじめ今年度も2冊発刊する予定です。それぞれ誰にも分かりやすく、実践にも役立ち、楽しめる本になっておりますので多くの方にご購読いただけますと幸いです。

なお、今までの「住総研 研究論文集・実践研究報告集」等がJ-STAGE(科学技術振興機構:JSTが運用)にも掲載されており、検索が便利になっています。 また、「すまいろん」の過去に掲載された論考の一部もJ-STAGEに掲載予定です。こちらも是非ご活用ください。実績として昨年度は毎月平均で約1万件がアクセス・閲覧されています。
また、次世代を担う「こどもたち」への「住まい・まち学習 教育実践研修会」も引き続き強化して参ります。

今年度の住総研の活動に一層注目して頂ければと存じます。

2022年4月1日
一般財団法人住総研

専務理事

道江紳一