第178回
(話題)  チャレンジCGプロジェクト「江戸の町並みをつくる」
(要旨)
江戸東京博物館都市歴史研究室と東京電機大学高橋研究室が標記の共同研究を実施した。その発表が江戸東京博物館シンポジウムとして実施され、第178回江戸東京フォーラムが後援をした。
CGによる「歴史的町並みを復元する試み」は、現在、精密な再現・復元によるリアリティのある町並みをつくることが主流である。しかし、この方法は膨大な時間がかかる。そこで、短時間で大規模な町並みをつくるため、家屋や人など、町並みを構成するのに必要なオブジェクトを簡易モデルとして大量に、自動的に並べ、そこに町並みの特性を付加し、全体を構成するという新しい方法が高橋研究室によって開発された。フォーラムではそのことが発表された。
この発表に対して、まず、歴史学の立場から、小澤委員が地図、絵図、文献資料を活用してCGにフィードバックすることの助言があった。次に、建築史の立場から、波多野委員が絵画史料はディフォルメされていることに注意が必要なこと、簡易モデルとしての町家のパターンを増やすこと、路地等の細部にこだわることが重要であるとコメントがあった。
従来、コンピューターは町並み復元において、手段にすぎない時代であったが、目的の時代になりつつある。それに対応するには、様々な専門分野が協力をして、江戸の精密な町並みをCGで復元しなければならない。そのことは新しい歴史学の創造につながるだろう。