第128回
(話題)  原宿の空間構造−人気の秘密を歴史から読む−
(要旨)
都市東京は、土地に刻み込まれた歴史の文脈を受け継ぎながら、新たな要素を貪欲に取り入れ、持続的に発展していく「場」の力を持っているのではないか。
原宿は二つの異なる空間構造を合せ持つ。1つは生活者を主体とする居住地(下屋敷、百人組、農村集落)を基盤としたものである。それは明治以降、それぞれ商店街と住空間が一体となった市街地を形成している。これが現代の原宿の隠れた構造になっている。もう1つは大正時代に計画された表参道を中心とする表の都市空間である。戦後は、ここに欧米文化が流入し幾重にも重なり、象徴的な空間軸を形づくっている。このように2つの異なる空間構造が表と裏で組み合わされている。そして、独特の魅力ある原宿を生んでいる。
この研究は法政大学「東京のまち研究会」がこれまで行ってきた山の手研究をさらに発展させたもので、かつて江戸の外縁部だった地域にまで対象を広げた試みである。
若者に人気のある原宿を取り上げて、歴史的な形成過程がたどられ、歴史の要素が現代のまちの展開にいかに関係しているのかが言及された。都市東京における歴史の受け継ぎ方の特質が論じられた。