第112回
(話題)  カフェーと喫茶店
(要旨)
もともとカフェーと喫茶店は同じ施設を指す名称として使われていた。女性がついてアルコールをサービスするのがカフェーで、コーヒーや紅茶など、アルコールのサービスを中心としないものでのが喫茶店と呼ばれてきた。それがいつの間にか異なる施設であるかのようになってきた。カフェーはさらに最近はまたこれと違った意味で再び使われはじめている。
カフェーと喫茶店は、共にお金をとって飲食物をサービスする商店の1つではあるが、商店という存在をこえて都市の中の施設としてみることもできる。そうしたとき、カフェーは繁華街のなかに歓楽的な要素を持ち込んだ施設になり、喫茶店は談話や休憩、待合せなど、誰でもが気楽に使用することのできる都市の中の“たまり場”としてとらえることができる。
双子のような存在であるカフェーと喫茶店は、都市のなかにいつごろつくられ、どのように変化していったかなど、2つの施設を通して、日本の近代都市の変化の一面がそこにみることができる。