活動-イベント情報

第104回すまいろんシンポジウム 2025年11月13日(木)14:00~17:00

「ユートピアの現在、共同組合思想と住宅の現在」

21世紀に入って早くも四半世紀が過ぎた。冷戦構造の解消とともに迎えた21世紀の最初の頃には、公正で、平等で、平和な世界になるのではないか、という明るい雰囲気が多くあったように思う。しかし結果はどうだったのだろう。巨大化する世界経済、そしていびつな政治状況とあいまって、少なくとも21世紀の最初の25年間は、人類が長く追い求めてきた理想郷ではなかったことがはっきりとしている。こうした世界を少しでもよくし、そして私たちが豊かに生き延びていくにはどうすればよいのだろうか。

複雑化し巨大化してしまった社会経済の仕組みに対して、そこから守られた安全地帯のような経済圏をつくり、そこでの実践を通じて世界をつくりなおしていく試み、とくに暮らしを支える「住まい」や「地域」を中心とする試み、それを「ユートピア」と呼び、この特集では扱いたい。ある安定した状態、ゴールとしてのユートピアではなく、それを目指す実践、いわば動的な、動詞としてのユートピアである。

同じようなことは19世紀ごろから多く試みられてきた。地域通貨、協同組合、田園都市、ヒッピーのコミューン、コハウジング・・。少し注意深く見回してみると、その痕跡はたくさんあり、多くの方法が試されている。現代のユートピアは、画期的な発明によるものではなく、方法の再発見とリノベーション、そしてその繋ぎ合わせで実現していくのかもしれない。

少し厳密に定義をしてみよう。ユートピアとは、家族-地域-都市-国家-市場のどこかの単位を解体再編成し、何らかの半閉鎖的な仕組みをつくり、それをもって人間が生きていくための資源の調達の仕方を変え、人間の役割を、あるべき自由な状態へと変えていく試みのことである。そのうち、特に住まいや地域を中心に据えたものを今回の特集で考える対象とし、それをなんとかやりとげた事例の現在とその行く末を探っていきたい。


企画:饗庭 伸(東京都立大学 教授/すまいろん企画編集委員会委員)

第104回すまいろんシンポジウム 「ユートピアの現在、共同組合思想と住宅の現在」

日時
2025年11月13日(木)
14:00~17:00
参加
Zoomによるオンライン開催・参加費無料
定員
100名
主旨説明
饗庭 伸(東京都立大学 教授)
「ユートピアの現在、共同組合思想と住宅の現在」
講演
三浦 一浩(生協総合研究所)
「協同経済とユートピア」

浅海 義治(世田谷まちづくりセンター創設スタッフ、元所長)
「いのちを育む小さなユートピア」

能作 淳平(建築家 junpei nousaku architects代表)
「建築家のミクロな実践から立ち現れるユートピア」

※講演タイトルは変更になる場合がございます。
申し込みについて
下記フォームにてご応募ください。
※締め切り:2025年11月6日(木)15:00まで 
問合せ
一般財団法人 住総研 ※8/9~8/17は休業させて頂きます。
e-mail sumairon★jusoken.or.jp (★は@(半角)に変えて下さい。)
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-12-2 朝日ビルヂング2階
TEL:03-3275-3078/FAX:03-3275-3079

*このシンポジウムの内容は、2026年2月発行の『すまいろん』(No.118)に掲載予定です。

申し込み先

ご参加(オンラインのみ)ご希望の方は、こちらのフォームよりご応募ください。

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