第95回すまいろんシンポジウム 2021年3月16日(火) 14:00~17:00
『コロナと住まい』 終了しました。
本特集が刊行されるのは2021年8月の予定であり、2020年から21年に延期されたオリンピック・パラリンピックが開催されるかどうかも不明な現在ではあるが、日本では2020年3月13日に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法制定から、概ね一年が経ったことになる。
この間、2020年4月7日から5月25日にかけて、段階的に発出、解除された第一次の緊急事態宣言。その後、緊急事態宣言は発出されなかったものの第二波と称された7月から9月にかけての感染の広がり。そして2021年に入って指数関数的に増えた新規感染者数を受けて1月7日に発出された第二次の緊急事態宣言。このような国家的・政治的な動きを背景に、生活者である我々の感覚としては、社会全体として最悪の事態には直面していなかったが、今生きる日本人がかつて経験したことのない、自然災害とはかなり様相の異なる疫病災害に対する危機、危機感を、既にあらゆるレベルで経験してきた観がある。
これに対応する形で、我々の生活のあらゆる場面において、国家的な規制として、社会行動規範的な行動制約として、自己と家族を守るための自衛的行為として、これまでとは違った行動を生じせしめてきた。
2021年2月中には開始されると言われているワクチン接種がそれにどのような影響を重ねていくかは今後注視するとしても、新型コロナウイルス対策の特別措置法制定からほぼ1年以上経過した時点での、個人的・社会的行動変容が、住まいを中心とする生活空間に与えた影響、その対応策としての空間づくりの方法の変化を、この時点で確認、整理し、できれば、ウイズコロナからアフターコロナへ不可逆的に変容していく社会を見据えた住まいの空間像の在りようを模索しておくことは、『すまいろん』として重要であるとの認識のもと、本企画を構成することとなった。
すまいろんシンポジウムでは、住宅内外に現れる現象を、住宅そのものにおける変化ばかりでなく、エネルギー消費、居住地移動、家と学校の機能のやり取り、などといった住宅機能の根源を問うような現象に着目し、コロナで変容した住宅観をあぶり出すこととしたい。
これに加え、憶測と予断と各種の忖度にまみれた疫病災害の感染経路と空気質の関連に関わる課題、その延長としての医療福祉施設での空間対応、100年以上続く居住における都鄙問題を革命的に覆した観もある不動産の動向、こうした課題の結果生じた個人レベル・社会レベルでの行動変容と今後の住まいの空間の有り様に関する考察、などを寄稿していただきながら、「コロナの1年から何が学べたのか」を記録しておきたい。(2021年1月記)
企画:大月敏雄(東京大学/住総研すまいろん編集委員会委員長)
主催:一般財団法人 住総研
第95回すまいろんシンポジウム 『コロナと住まい』
14:00~17:00
宮原真美子(佐賀大学)「コロナ下の住まい方」
垣野義典(東京理科大学)「住まいと裏表の環境としての学校建築」
山村崇(早稲田大学)「コロナ下の都市環境の変容」
※講演者等は変更になる場合がございます。
下記の申込フォームからご登録いただいた方に、オンライン参加用のリンクを後日お送りいたします。(定員60名:先着順)
e-mail sumairon★jusoken.or.jp (★は@(半角)に変えて下さい。)
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-12-2 朝日ビルヂング2階
TEL:03-3275-3078/FAX:03-3275-3079
このシンポジウムの内容は、2021年8月発行予定の『すまいろん』(No.109)に掲載予定です。
会場
一般財団法人住総研会議室