第171回
(話題)  大阪くらしの今昔館−「体感する」博物館活動−
(要旨)
「大阪市立住まいのミュージアム(愛称:大阪くらしの今昔館)」は、住まいの歴史や居住文化に関する情報を発信する歴史系博物館として、2001年4月に開館した。この企画立案は建築技術職の行政担当者と建築・住宅研究者が携わり、大阪市建築局が設置、大阪市住宅供給公社が運営している。今昔館では、江戸時代後期の大坂の町並みが実物大で、学問的な裏付けのもとに再現し、町家には「ほんまもん」が飾ってある。年間約15万人の来館者は常設展ではあるが、歳時記にそって展示がかえられ、その変化がリピーターを呼んでいる要因でもある。今昔館には150人の市民ボランティアが「もてなし」に徹したイベントやワークショップを工夫して、賑わいのある町の風景を作り出している。そのことは、市民ボランティア自身の自己表現の場でもある。講演後は、江戸東京博物館を初め、東京の学芸員を中心に、博物館展示に関して、講師へ数多くの質問があった。東西博物館員の交流の場にもなった。