2017実践研究報告集統合版
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④レンタル利⽤者主催の定期的なマルシェイベント2017年10⽉現在,毎⽉定期的に開催されているマルシェイベント。⼥性数⼈で開催されており,毎回多数の参加者で賑わっている。美容・クラフト系の内容が多く,これにも団地住⼈が多く参加する。このようなイベントが利⽤者によって開催されることで,運営者は別の企画を試すことができ,⾮常に良い動きであった。3.4メディア掲載などによる社会への発信実践期間中は多数のメディアに掲載された。中でもNHK全国サキどりにおいて,「ミラクルピザ!団地再⽣⼤作戦」として,⻄I棟が30分取り上げられた。多数の視察,⾒学依頼が舞い込んだ。図3-11 AKIAKIマルシェ(2017年1⽉)図3-13 NHKサキどり↑ホームページまたソシル系ガジンソトコト2016年9⽉号3.3実践活動の独⾃性①主査が住みながら実践する活動であること主査が⻄I棟に居住しながら実践活動を進めている。⼿法としては,アクションリサーチで,研究に⾄る以前の住⼈との関係づくりや,コミュニティへの関与,住⼈の声の拾い上げなど,⼩さな出来事を感じ取れており,住んでいるからこそできる⽅法である。またソーシャル系マガジンソトコト2016年9⽉号「⼈がつながるいえとまち特集」において,「団地で育つ新しいコミュニティ」としてコミュニティピザの様⼦が掲載された。紙⾯では,団地住⼈の声がたくさん掲載してあり,⻄I棟での実践の住⼈中⼼が表現された内容であった。②コミュニティの価値を不動産的に評価すること本実践の先⾒的な部分として,⼊居率の改善をコミュニティに求めた。多くの賃貸住宅の場合,プライバシーの確保が重要視されているが,⻄I棟では,⽇常的にコミュニケーションが取れることを住まいの価値としている。同時に,それらが促されるような空間(今回で⾔えば104号室)の整備を勧めている。またここでのコミュニティは既存住⼈も巻き込んだ多またここでのコミュニティは既存住⼈も巻き込んだ多世代のコミュニティであることが要点である。③個⼈所有の物件で実践していること個⼈所有の物件であるため,実験的な取り組みを進めやすい。⼀⽅で,収益物件としての主たる⽬的は達成する必要があるため,そのバランスについて議論を重ねた。④物件所有者と住⼈との関係性⻄I棟では,不動産仲介業者を介さずに,物件所有者図3-14 ソトコト2016年9⽉号その他,地元ケーブルテレビBAB-BABテレビ「今からどこイク」(2017年5⽉)や地元情報誌にも多数取り上げられた。と住⼈が直接連絡を取り合える関係をもっている。室内でのトラブルや,階段室の電気切れなどは,物件所有者に直接連絡することとなる。シェアスペースを運営する上で,この関係性が⾮常に重要であった。例えば,イベント時の騒⾳がでた場合,不動産仲介業者が⼊っていると,それは⼊居者からの苦情として所有者に報告される。結果,騒⾳が起こらないようにシェアスペスの管理を厳しくする事となるげられた。ように,シェアスペースの管理を厳しくする事となる。⻄I棟では,良いも悪いも住⼈からのお知らせが直接所有者家族に伝わる。そのため,シェアスペースの運⽤⽅法についても,それらを鑑みたかたちで検討が進められた。また委員である藤⽥は⾃らDIYリノベを率いるなど,共につくることを⼤切にしており,その姿を⾒せることが,既存住⼈,新規住⼈への信頼感にもつながっている。図3‐16 リビング加古川(2017年1月)住総研 実践研究報告集 No.44, 2017年版 普及版 7

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