2022実践研究報告集No.2123
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写真2-1 KOCAのフリーアドレススペース(KOCA提供資料)写真2-2 KOCAのコンテナ(事務所)屋上)(KOCA提供資料)図2-1 KOCAのプランニング(KOCA提供資料)また,高校生は取り組む時間が限られているため,実施期間,作成時間の設定を短期間ではなく,長期間に設定し,さらに,意識に差があるため,全員実施や授業内で実施ではなく,参加したい生徒を校内で公募した。(ii) 商店街周辺の過去の写真を用いた「時層写真」をAR技術によるアプリを開発する。実践する高校の特徴を活かして,科学技術科という専門学科である東京都立科学技術高校では,AR技術を用いた時層写真のアプリ開発を行い,外国語コースを設置している東京都立深川高校では,開発されたアプリを英語に変換させる。なお,商店街の調査や活動は2つの高校の生徒の協働で行うものとする。2018年度の実践研究で行ったポスター文2)もAR技術によって商店街活性化の材としての価値を向上させる(図1-3)。(ii)地域にあるモノづくりネットワークのハブ 大田区は,ひとつのプロダクトを近接する工場で完成させる「仲間まわし」という独特のモノづくり文化を育んできた地域で,近年では新しい発想力を持ったクリエイターが流入してきている。こうした文脈を最大化するため,エリア周辺に点在する場や人と連携し,モノづくりネットワークを強化していくひとつの拠点として運営していく。(iii)モノづくりと事業を加速化するインキュベーション このコミュニティとネットワークを生かし,モノづくりのノウハウを共有し,新たなサービスや事業へと展開していくための支援プログラムを提供していく。2.2 ポスター展(KOCAの人々)の開催 生徒の校内公募いついては2021年7月下旬(夏季休業前)に行ったが、2021年7月12日(月)~9月30日(水)にCOVID-19の影響により緊急事態宣言が派出されたことから高校生の活動は大幅に制限されることになった。対象施設であるKOCAの担当者と打ち合わせをしていたが感染状況が読めなかったことから、教員と担当者で事前に調整を進めることとした(図2-2)。2. ポスター展の実践2.1 対象施設(KOCA)の概要 ポスター制作の対象地であるKOCA(コーカ)は京急線梅屋敷-大森町間高架下に2018年に開設されたコワーキング施設であり(図2-1,写真2-1,写真2-2),次の3つのコンセプト(大切にしていること)を掲げている。(i)コミュニティとしてのクリエイターズコレクティブ KOCAは、「カマタ」をベースに活動するクリエイターのコミュニティである@カマタの拠点であり,施設としての単純なコワーキングスペースではなく,新しいクリエイションに挑戦するプロフェッショナルが集まるレーベル・コミュニティをベースに場を運営していくことを大切にしている。

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