2021実践研究報告集NO.2026
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1.2アンケート調査とヒアリング調査住⺠のニーズを探るため,団地の全居住者を対象にアンケート調査,⾼齢者や⾞椅⼦使⽤者や家族にヒアリング調査を⾏った。現地調査やアンケート調査・ヒアリング調査,市営住宅への学⽣の⼊居などから現状の課題を把握し,現代の暮らし⽅に合わせた住環境の改善を試みた。ヒアリング調査は,⾏政官住宅団地の⾃治会⻑と管理⼈に⾏いアンケー日時内容表1-2アンケート調査の経緯た。戦後の住宅において「51C型」の果たした役割を振り返りながら(図2-1),当初の想定された⽣活像は固定化されていて,現在のニーズは多様となり,公営住宅においても⾃由度が求められていることを図⽰化したものである。官,住宅団地の⾃治会⻑と管理⼈に⾏い,アンケート調査で協⼒を申し出てくれた住⺠の内,⾼齢者家族と⾞椅⼦使⽤者の家族の2家族に⾏った。表1-2にアンケート調査の経緯,表1-3にヒアリング調査・意⾒交換の対象者と⽇時を⽰す。2. 改修計画案の検討と決定,及び改修⼯事へ2020年5月1日アンケート作成2020年9月17日倫理審査会承認:長崎総合科学大学研究倫委員会2020年9月18日アンケートプレ調査2020年10月5日アンケート配布:自治会毎に配布2020年10月22日アンケート集計表1-3ヒアリング調査・意⾒交換概要の参画2.1意⾒交換と戦後の住宅計画の振り返り⻑崎市建築部住宅課から,⻑崎市の市営住宅の現状やその課題の特徴についての説明を受けた(写真2-1)。2015年の⻑崎市の調査において,市営住宅などの公的借家が全体の8.6%で全国平均3.8%よりも多いことが特徴である昭和の時代に建設された住棟が日時調査対象者調査場所住民2020年 9月18日団地の自治会会長と管理人長崎市宿町613番地市営宿町アパート8号棟集会所2020年12月11日高齢者H氏と家族長崎市宿町225番地日見大曲アパート4号棟 H氏自宅2020年12月13日車いす使用者A氏と家族長崎市宿町613番地市営宿町アパート9号棟 A氏自宅長崎市宿町613番地2021年 10月8日車いす使用者Y氏と家族長崎市宿町221番地市営宿町第2アパート12号棟 Y氏自宅表1-3ヒアリング調査・意⾒交換概要ことが特徴である。昭和の時代に建設された住棟が多く,2019年築35年以上経過したものが約半数を占めていて⽼朽化が進み,エレベーターのない住棟が多い。公営住宅は「住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸(公営住宅法)」であり,その条件から現在の居住者は年⾦などで暮らす⾼齢者の世帯が多いなどの説明と資料の提供を受けた。改修候補となる住棟は⽇⾒地区の中で⻑崎市からいくつ行政2020年 7月 3日長崎市建築部住宅課4名長崎市宿町613番地市営宿町アパート8号棟集会所2020年 9月18日長崎市建築部住宅課5名長崎市宿町613番地市営宿町アパート8号棟集会所2020年12月18日長崎市建築部住宅課3名長崎市建築部住宅課事務室か提⽰され,その中で戦後の住宅不⾜に対し,住宅の効率的な確保を⽬的として規格化を図り,「⾷寝分離」「就寝分離」など,その後のわが国の住宅に⼤きな影響を与えた「1951年度住宅標準設計C型」(通称「51C型」)の2LDK住⼾を選択することとし図2-1戦後の住宅計画写真2-1⻑崎市建築部住宅課との意⾒交換

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