竹の材料特性を最大限活かした新たな構造システムおよび特徴ある建築デザインを確立することを目的とした架構の試作である。 割竹を挽いて平らにした薄板を積層した角材を用い、竹の高い強度を活かして繊細な部材断面とする。考案した「三方格子システム」は、釘や金物を用いることなく剛な架構をつくるもので、組みばらしも自在のため連結・展開・解体が可能な構法である。プロトタイプとして制作した空間は、18㎜角の繊細な部材で構成された「新たな和風建築」といえる。学生が設計から施工までを行う。素人の学生が手作業で行うことで、特殊な技術や経験を有することなく、簡単に且つ自由に建築的架構空間が生みだせることの実証にもなる。図2-20 完成写真滋賀県立大学 教授/陶器 浩一竹田 明夫、今井 潔志竹の材料特性を最大限活かした新たな建築構造物の制作30実践研究報告 No.2025
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