2022実践研究報告集No.2024
9/13

 この日は,消防訓練に合わせてクイズラリーを行いました。消防訓練はコロナ禍のこともあって,3年ぶりに催された行事とのことでしたが,管理組合の理事長はじめ理事の方々の熱心な参加呼びかけもあって,最高気温35℃,大阪市の新型コロナウイルス新規感染者数が連日16,000人を超える状況下,約30名の住民が参加し,初期消火訓練や心肺蘇生の救護訓練などに一生懸命に取り組んでおられました。地域の消防署の協力を得て,消防車の出動もあり,子どもたちも興味津々で参加していました(写真A,B,C)。        消防訓練を終えた後,住民の方々を10 数名ずつ3グループに分け,建築士が引率と解説をする形でツアーが始まりました。私が参加したチームは10 名ほどのメンバーでしたが,小学生が3名,社会人の青年が1名,小さい子どもさんを連れたお母さんが3名+幼児3~4名の構成でした。QR コードはマンションの1階,6階,11 階に貼られており,3グループが重ならないよう別々の階へと向かってツアーの開始です(写真D,E,F)。 A:事前打ち合せの様子B:消防訓練の様子C:消防訓練の様子 そして最後に1階へ向かいます。AED,非常用の給水栓,避難ハッチ,送水口があります。AEDは心肺蘇生の救護訓練でも使いました。非常用の給水栓は,停電で給水ポンプが止まり,マンション全体で水が出なくなっている時でも使える水道です。避難ハッチは緊急の際に上の階から下の階に逃げるための梯子が収納されています。送水口は火事の時に消防隊員が,ポンプ車の水を放水口まで送り込む設備です。解説を聞かれていた住民の方は,「いつも見ているけれど水が出てくるものだと思っていたわ。」と自分の考えが思い込みであったことを知りながらクイズとアンケートに回答されていました(写真G,H)。 私たちのチームがまず向かったのは6階です。このフロアには消火器,非常ボタン,防災倉庫,非常用照明装置,避難口誘導灯と5つの設備があります。消火器や非常ボタンはどのような役割の設備であるかがすぐにわかるのですが,防災倉庫は見た目はただの扉でしかありません。子どもたちもお母さんたちも「これは,一体何だろう︖」と不思議な顔。そこで引率者による解説の後,扉を開けてもらうと,災害時の救助に必要な道具や備蓄品などが収納されていました。扉の向こうに飲料水や簡易トイレ,救急セット,ヘルメットなどがたくさん備えてあり,参加された方々は驚いておられました。 次に11 階に上がりました。ここには放水口と煙感知器が備えられています。放水口の扉を開けると太いホースが2本,巻かれて収納されています。煙感知器は,火事が発生し,煙を感知するとベルが鳴り人々に火事を知らせる装置です。D:防災設備の解説D:防災設備の解説E:QRコードの撮影E:QRコードの撮影F:防災倉庫の確認F:防災倉庫の確認4.2 デジタルクイズラリーとワークショップの実践 実施したワ-クショップ等の様子を生き生きと伝えるために,7月31日午前10時からの防災探検ツアーに参加したレポーターによる報告を掲載する(図4-3)。

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る