マンションBでは,予めデジタルクイズラリーを済ませている方が多かったので,まず集会所で一級建築士による防災設備に関するミニセミナーを行いました(写真A,B)。ラリーに参加した方々を中心に,子どもさんも含めて20名ほどが参加してくださいました。 それから非常時のための食料や飲料水,ヘルメットやライト類などの用具・道具が集会室の一画に蓄えられていました(写真F)。住民の方が,集会室に来られるたびに,ここに置かれていることが認識されるので,良い取り組みだと感じました。 説明は,パワーポイントを使って防災設備の写真を見ながら,それぞれの設備の役割と,このマンションのどこに設置されているかについて話され,動画等を活用して補足的な説明を加えました。また,安全面での配慮からクイズに取り入れることができなかった駐車場の設備や,クイズには盛り込めなかった避難ルートについて重点的に解説しました(写真C)。 設備によって,全住戸にそれぞれついているものと,そうではない避難ハッチのようなものもあり,「我が家にはついてないわ」と,初めてその設備を知る方もおられました。また,AEDの使い方と消火器による初期消火の訓練は,先に行われたマンションAでの訓練の様子をビデオで見てもらって理解を深めるようにしました。A:集会室の案内B:掲示板の案内C:建築士による解説 その後,まだクイズラリーをしていない住民の方々と一緒にクイズを解きながらマンション内を回り,防災設備の設置場所の確認を行いました(写真D)。 まず,1階のエントランス周りです。ここには,AED,スプリンクラー,消火器,火災時の消火に使う送水口などがあります。次いで5階へ上がり,煙感知器,非常用照明装置,放水口などを確認しました。 最後に地下へ戻ります。このマンションは,停電した時のためにと,手動で使えるトンカチやバール,ジャッキなどの救助工具一式を入れた格納箱と発電機が用意されているところが特徴的でした。発電機は電気製品を動かすためのものであり,携帯電話の充電などにも活用することができます(写真E)。図5-3 マンションBの実践のレポーター報告D:QRコードの撮影E:救助工具・発電機F:非常用水・食料5.2 デジタルクイズラリーとワークショップの実践 マンションBでのワークショップは,2022年9月4日(日)に実施した。当日は午前10時にマンション住民の皆さんに集会室に来ていただいて,スタートした。ワークショップとデジタルクイズラリー期間最終日の実践の様子を,参加したレポーターからの報告として伝える(図5-3)。
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