2021実践研究報告集NO.2023
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5.織機E製作⽤資材・⾦物の調達5.1⼟台(地松古材)かつての⼿織り織機製作⼯程と同様に,部分的に地元で使われていた古材を使って新規製作(織機Eとする)を試みた。準備期間も含め,材料選定は随時進めて来⼭⼯房にも⼀部保管していたが,特に,織機⼟台となる200mm⾓以上の良質な地松(国産⾚松)の⼊⼿は困5.3樫耐久性が必要な可動部などに使⽤される樫材も,同⽇2021年4⽉15⽇,4種(6本)を佐々⽊材⽊店(岡⼭市北区)(図5-3)で調達した。コテ受けの⻑尺樫材は,ケンザイセンター⽣⽥(福⼭市鞆町)の北村国康⽒が⾃社倉庫(図5-4)に保管している良質のものを提供いただいた。瀬⼾内まちなびLABO(福⼭市鞆町)の会⻑でもある北村⽒は重伝建地区である鞆町の古⺠家再⽣る200mm⾓以上の良質な地松(国産⾚松)の⼊⼿は困難であった。⼤断⾯の⼟台材料は,福⼭市の旧庄屋の古⺠家解体現場から調達した。各所に資材提供を依頼していたが,実践活動の⼀時中断時に,近隣地域の町内会役員の池⽥和司⽒から情報提供いただいた。2020年11⽉4⽇に,池⽥⽒と主査が現場で材料選定した。現場の厚意もある北村⽒は,重伝建地区である鞆町の古⺠家再⽣やまちづくりなどで主査や委員らと協働しており,本課題における資材提供などを協⼒依頼していた。で,廃棄前の1本の梁材から約390×210×1,000mmの松材4本を調達した。翌11⽉5⽇に研究協⼒学⽣4⼈と共に,解体現場にて切断補助・運搬を⾏った(図5-1)。この4本の⼟台部材の内,状態の良い2本を来⼭⽒に提供した。池⽥⽒は当初,この古⺠家建築の保存を主査に相談していたが,⼿遅れであった。地域や所有者に親しまれていた古⺠家がやむを得ず解体に⾄ったが現況保図5-3 佐々⽊材⽊店(2021.4.15)れていた古⺠家が,やむを得ず解体に⾄ったが,現況保存に変わる⽅法で建築の記憶を残すことができた。5.2地松(国産⾚松)織機躯体の主材料である地松(国産⾚松)は,かつては全国で容易に⼊⼿できる資材であったが,現在希少である。2021年4⽉15⽇,今では数少ない地松専⾨の鈴⿅製材所(岡⼭県美咲町)(図5-2)で,13種(18本)の資材を調達した。⼼材(⾚⾝)か辺材(⽩⾝)かにはこだわらず,「上⼩」(節あり)の品質のものを,厚さ5mm増で製材発注した。ただし,経⽷が直接かかる笠⽊と前・後下張りの3部材は「ムジ」(無節)を指定した。前柱(左・右)の松材については,2007年に,秋岡委員の⾃宅離れを解体した際に保管していた古材を使⽤した。図5-4 ケンザイ倉庫(8.5))図5-1 池⽥⽒と古⺠家解体現場(2020.11.4〜5)図5-2 鈴⿅製材所(2021.4.15)

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