2021実践研究報告集NO.2023
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3.2来⼭⽒による織機Ⅾ製作⼯程2021年3⽉22⽇の⼟台加⼯から6⽉6⽇完成確認まで合計12回,来⼭⼯房で織機(これを織機Ⅾとする)の製作⼯程の臨地調査を⾏った(表3-2, 図3-4〜10)。その後,製作図⾯作成のための実測と聞き取りの補⾜調査を5回⾏った。⼤断⾯の⼟台に関しては,後述する古⺠家解体時の資材を使った。この材料を3⽉22⽇持参して来⼭⽒による製作とその⼯程の記録が始表3-2 織機D製作⼯程(臨地調査⽇のみ,いずれも2021年)⽇持参して,来⼭⽒による製作とその⼯程の記録が始まった。月日事項3.22土台(古材)加工と部材確認,前柱・後柱の仮組3.29前・後柱の本組と踏み木束の取付4.1笠木・下笠木の加工・取付(中国新聞取材, 図10-1)4.5藺台受け,踏み木,コテ受け貫・小柱取付48踏み木とコテ調整4.8踏み木とコテ調整4.12備後柿渋塗り,踏み木と指竹調整4.15指竹調整(続き)4.19指竹調整(続き)4.26コテ金物取付5.1コテ取付5.10コテ返し製作・取付,可動部等最終調整(オイルやロウ塗り)5.16~6.20緊急事態宣言(広島県他)6.6織機D完成確認(5.15織機完成連絡) 及び補足調査17.1補足調査2:糸掛け(一部)実演と体験7.29補足調査3:詳細寸法・納まり再確認85補足調査4詳細寸法納まり再確認図3-12 コテ受け⾦物の型紙と実物4.織機Dの製作⼯程の記録4.12次元部材詳細図来⼭⼯房における織機Dの組み⽴て前後の実測(図4-1)により,⽊材37種類,⾦物9種類の部材3⾯図を作3.3記録ノートと型紙織機製作において,来⼭⽒が頼るのは,1993年に⾃ら最初に製作した⼯房内にある織機B(図3-1)そのもの8.5補足調査4:詳細寸法・納まり再確認8.20~蔓延防止等重点措置,8.27~9.30緊急事態宣言(広島県他)8.27補足調査5:詳細寸法・納まり再確認と金物等製作依頼41)により,⽊材37種類,⾦物9種類の部材3⾯図を作成した(釘,栓,⼩⾦物やカケヤ,イス,⽷⽴て機などを除く)。印刷時1/10を基本スケールとして,⼀部1/5〜1/1原⼨図で補⾜した。仕⼝や⾦物などの位置や⼤きさ,納まりについても正確に記録した。組⽴順に通し番号を付し,製作上の留意点なども聞き取り,図⾯上に記載した。であり,詳細な図⾯はない。また,その織機Bを基にして製作した,⼯房前のガレージにある⽂化財畳保存会の研修⽤織機(織機Cとする。2011年製作)(図3-2)も同様に⼨法や位置関係の確認に参照する(図3-7)。細部は,現場合わせによって,⼤きさや位置を調整する。設計⼨法等が⽂書記録として残るのは,来⼭⽒が最初に実機を実測記録した「表機⼨法帳」と表題の書か初に実機を実測記録した「表機⼨法帳」と表題の書かれた⼩学⽣向けの学習ノート合計12ページだけである(図3-11)。ただし,記録通りの⼨法で製作するわけではなく,先述通り,⼯房にある織機B,Cを都度測って⼨法や位置を確認しながら製作する。来⼭⽒は⾦物も含めほとんど全ての部材を⾃製するが,コテ受け⾦物だけは鉄⼯所に外注するため,この型紙(図3-12)が保管されている。図3-11 実測ノート図4-1 実測と聞き取り調査(2021.3.22〜6.6)

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