2021実践研究報告集NO.2023
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3.来⼭⽒による製作⼯程の記録3.1調査・製作準備期間1)課題着⼿前来⼭⽒と主査は,主査が備後表研究を始めた2016年に出会い,当初から中継織機の実測図⾯を作成し,⾃ら織機製作をしたい意思を伝えていた⽂6,7)。来⼭⽒は,将来の共同製作に備えて随時資材調達や下加⼯を表3-1 調査・製作準備期間(課題着⼿前も含む) 将来の共同製作に備えて,随時,資材調達や下加⼯を⾏っていた。しかし本課題の準備段階に⾄って,コロナ禍の収束は全く予想できない状況であった。課題着⼿の延期も検討したが,技術継承は喫緊の課題であり,社会状況を⾒極めながら遂⾏した(表3-1)。年月日(期間)事項2016.12.6来山工房で,来山氏と主査初対面図3-2製織実演(織機C)4)協⼒学⽣予備調査2020年11⽉5⽇の⼟台となる古材調達(後述)をきっかけに主査と共に研究協⼒者である研究会学⽣2017.5~2018.3織機B実測調査・記録(文献7)2017.9.14織機Aを農家から福山大学に移設・展示2020.4.16~5.14緊急事態宣言(広島県他)2020.7.10主査が来山氏に本課題着手の説明2020.7.30秋岡委員が来山氏と初対面(活動中断)2020.11.5古民家解体現場から土台資材調達2020.11.21協力学生が来山氏と初対面(活動再開)2021.2.27来山氏と再協議(実践活動本格再開)2)初打ち合せ2020年7⽉10⽇,本課題着⼿を機に,主査が来⼭⽒に改めて協⼒依頼し,実践研究計画・遂⾏に関する意⾒交換を⾏った。まず来⼭⼯房において,委員や研究協⼒者である研究会学⽣らと共に,1台の織機を新規製作しながら,実測図⾯を作成し,製作・製織のノウハウを得た後,もう1台の織機製作に⼊る研究計画を確きっかけに,主査と共に,研究協⼒者である研究会学⽣ら4⼈が来⼭⽒を訪ね,⼯房⾒学や製織体験など予備調査を⾏った(図3-2)。古材の端材を持ち込み,⼟台に利⽤可能であることを確認した。居合わせた⽂化財畳保存会の研修⽣による製織実演を⾒学した。しかしこの調査直後,来⼭⽒が体調を崩したため,再び活動を中断して回復を待った。秋岡委員が⾮常勤講師注3)として福⼭⼤学に来校した際に,毎週打ち合わせは続け,活認した。3)秋岡委員予備調査2020年7⽉30⽇,⽊⼯家である秋岡委員と主査が,製織体験しながら来⼭⽒から聞き取りを⾏い,材料選定や製作⽅法などについて,具体的に協議した(図3-1)。まず,⼟台となる⼤断⾯の地松(国産⾚松)の調達が必要であることを確認したしかしこの後もコロナ禍動再開の準備を⾏った。5)活動再開協議2021年2⽉27⽇,主査と研究協⼒学⽣2⼈が来⼭⼯房を再訪し,製作⼯程や要領についての聞き取りを⾏いながら,今後の活動について再協議した(図3-3)。当初は実機を1台共に作りながら製作ノウハウを得て,2台⽬は秋岡委員を中⼼に製作する予定であったし要であることを確認した。しかし,この後もコロナ禍で,来⼭⼯房において⼤⼈数で現地調査や織機製作をすることが困難な社会情勢が続き,実践活動を⼀時中断した。2台⽬は秋岡委員を中⼼に製作する予定であった。しかし,2度の活動中断によって時間が限られ,⾼齢の来⼭⽒の体調も考慮して接触の機会を減らすため,1台⽬の製作は来⼭⽒単独で進め,その記録のみをすることとした。図3-1 体験(織機B) 図3-3 協⼒学⽣

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