2021実践研究報告集NO.2023
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6.23次元組⽴図製作時の墨付けや位置関係の理解を容易にするため,3次元の組⽴図も作成した。主な部材を3次元データ化したので,透過表⽰も含めPC画⾯上で部分拡⼤して納まりを⾃在に確認することができる。部材名称は,来⼭⽒からの聞き取りや⽂献⽂14)を元に,調査,設計製図,製作過程を通じて,位置や機能と関連付けて呼称統⼀し⼀般にも特定できるようにした(図64)織機5.6その他⾦物⾦物については,市販品を加⼯して委員らで⾃製する予定であったが,製作時間が限られたため,最終的には来⼭⽒に⼀式製作依頼した。⾈釘による⿐栓や指⽵の先は溶接棒から作るなど⼯夫を凝らしている(図5-6)。統し,般にも特定できるようにした(図6-4)。織機正⾯に向かって,前後・左右・上下の位置関係を添えた。7.織機E製作実践7.1製作⼯程概要来⼭⽒による織機D製作の完了を待たず,2021年4⽉23⽇から織機Eの新規製作に取り掛かった。5⽉16⽇より,秋岡⽊⼯所(岡⼭市南区)にて主査や協⼒学⽣と共に製作作業を開始する当初計画であったが,同⽇,広島県や岡⼭県に緊急事態宣⾔が発出されたため,共同作業はいったん中⽌した。当⾯,秋岡委員単独で製作作業を⾏い,精度向上と⼯期短縮のため昇降盤,帯鋸,⼿押しカンナ,⾃動カンナ,⾓ノミ機,ベルトサンダなど据え置きの⼤型電動⼯具を活⽤して部材加⼯ダーなど据え置きの⼤型電動⼯具を活⽤して部材加⼯した(図7-1)。この点が来⼭⽒の製作⼯程と⼤きく異なるが,細部や仕上げには来⼭⽒同様に,ノミやノコ,カンナなどを⽤いて⼿刻みした。社会情勢を⾒極めながら,7⽉18⽇から共同作業を開始した。本課題において導⼊した最⼤30mm⾓が刻める⼤型⾓ノミ機などを活⽤し,記録含め2〜3⼈で作業した。10⽉2⽇までの計8回,秋岡⽊⼯所で共同図6-4 3次元組⽴図(指⽵半開き)と部材名称作業を⾏い,10⽉3⽇に来⼭⼯房に移設して完成まで作業を続けた。月日事項4.23土台(古材)洗浄(福山大学にて作業開始)図7-1 秋岡⽊⼯所と⼤型⾓ノミ機・⾃動カンナ(2021.7.18)表7-1 織機E製作⼯程(全て2021年)7.2主な製作⼯程5.6土台加工(釘抜き・金物除去)5.13土台加工(電気カンナ掛け・寸法確認)(5/15織機Ⅾ完成)5.16秋岡木工所にて作業開始:松材墨付け・土台再生(~秋岡委員単独で作業)5/16~6/20緊急事態宣言(広島県他)7.18秋岡木工所にて共同製作作業開始(随時単独作業含む)8.1後柱加工・仮組など8.19前柱加工・土台-前柱仮組など8.26前・後下張り加工8.20~蔓延防止等重点措置, 8/27~9/30 緊急事態宣言(広島県他)92笠木・下笠木の加工主な製作程1)古材洗浄と下処理⼟台は織機Dと同じ築100年以上の古⺠家の梁材であり,泥や埃が詰まっていた。また,多くの釘や⾦物なども残っていたため慎重に取り除いた。⼟台の洗浄や釘抜きなどは,資材を保管していた福⼭⼤学で⾏い(図7-2),電気カンナを掛けて秋岡⽊⼯所へ運んだ。9.2笠木・下笠木の加工9.16躯体の仮組9.26解体して補正・カンナ掛け10.2カンナ掛け・古材釘穴補修作業(積み込み)10.3来山工房へ搬入(本組・樫材取付),来山氏との共同作業開始10.10可動部(コテ・指竹)調整10.17柿渋塗り・可動部等調整(オイル塗り) 10.23織機E完成確認(最終調整)・ロウ塗り・糸掛け棒設置10.24来山工房にて一般公開・製織実演(地域遺産フォーラム)10.31備後ブルーフェスで中継織機製作のポスター展示(来⼭⼯房で補⾜調査:6/6,7/1,29,8/5,27,打ち合わせ:9/19,30)図7-2 ⼟台洗浄(2021.4.23)〜釘抜・カンナ掛け(2021.5.13)

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