2021実践研究報告集NO.2023
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6.織機E製作図作成6.12次元製作図来⼭⽒による実機(織機D)製作⼯程調査とその際に作成した実測図⾯や仕様を基に,補正しながら製作⽤図⾯(3⾯図と部品図)(図6-1,2)を作成した。実測図⾯では,⻑尺材の歪みや捻じれなどにより左右や上下で部材⼨法のぶれが⽣じる。必ずしもCAD化せず,現場で⼨法修正したり原⼨図を描いたりして製作を進組⽴順⑭笠⽊場で⼨法修正したり,原⼨図を描いたりして製作を進めた(図6-3)。製作上,最も重要な軸線は,笠⽊と前下張りの最前部を結ぶ経⽷の鉛直線である(図6-1,経⽷軸線)。その線上に指⽵とコテの⽳が並ぶことが必要不可⽋である。また,柱間中央の正⾯中⼼は,左右⾜踏みの中央ではなく,コテ⽤の⾜踏み(右)の中⼼である(図6-1,正⾯中⼼組⽴順③前柱(右)(松),()(,線)。調査を踏まえた実機製作に当たっては,来⼭⽒の製作⼯程と⼨法,道具,⼯法,材料等に倣うことを原則としたが,製作効率や増強のために意図して設計段階や製作中に変更した部分もある。設計段階の⼤きな変更箇所は,(1)コテ受け⾦物の材料と⼨法,(2)来⼭⽒の助⾔に基づいて,前柱と⼟台の仕⼝である2枚ホゾの幅を共に8分(24mm)から9分(27mm)に太くした(図6共に8分(24mm)から9分(27mm)に太くした(図6-2),(3)左右の⾜踏みの幅と材料(樫)を揃えた点である。製作中には,後下張りは織機Aに倣い,経⽷が⾓にあたらないよう丸みをもたせた。古材を使った⼟台などは,端部の傷んだ部分を切り落としたため当初の想定⼨法より短く950mmとなった。織機A〜Dの中継ぎ織機を実測したが,⼟台の⻑さは1172,1025,938,980 ,,,,mmとばらつきがあり,今回同様に調達資材の⻑さによると思われる。⻑い⽅が安定するが,設置には短い⽅が有利である。笠⽊を除く主要な横架材は,A〜Dいずれも2,000数⼗ミリであるが,設計⼨法を2,000mmに統⼀した。いずれも,若⼲の⻑短は,構造上も動作にも⽀障の無い部分である。上⾯図組⽴順②⼟台(右)(松)上⾯図経⽷軸線図6-2 部品図設計⼨法(⼀部:笠⽊・前柱・⼟台)図6-1 織機Eの3⾯図(主要⼨法)と経⽷軸線を確認する来⼭⽒正⾯図右側⾯図図6-3 現場での修正図⾯(前柱-下張り)と原⼨図(笠⽊・下笠⽊)

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