2021実践研究報告集NO.1924
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3.活動内容3.1地域⽣活拠点施設の概要⼤曽根併存住宅の再⽣を分散型サービス付き⾼齢者向け住宅の導⼊と⼤規模な空き店舗空間を団地居住者及び周辺居住者の⽇常⽣活を⽀える地域⽣活拠点施設(写真3-1)に代えることで進めた。地域⽣活拠点施設は障がいを持つ⼈々⽣活困次いで1号棟,2号棟にまたがる⼀階スペースを構想する研究会が⽴ち上がった。⼤曽根地域で居住⽀地域⽣活拠点施設は,障がいを持つ⼈々,⽣活困窮者,⾼齢者など就労の場を確保しにくい⼈々に働く場を提供するとともに地域住⺠の暮らしを⽀え,憩いや集いの場となることを⽬的とし,資源のリサイクル,カフェレストラン,物品販売,相談,多⽬的スペースの5つの機能を備えることとした。3.2地域⽣活拠点施設の構成機能写真3-1「ソーネおおぞね」の⽞関援に関わる活動を展開していた様々な団体に研究会での報告を依頼し,⼀階スペースの果たすべき機能を検討した。地域⽣活拠点施設を参加団体のコンソーシアムで経営し,「ゆいまーる⼤曽根」のフロント(受付,統括事務所機能)との連携強化を構想した。しかしながらコンソーシアムの構築が困難で,1971年から障害のある⼈・ない⼈のだれもが「共に⽣き」「共に働1)ソーネホール「ソーネホール」は2018年3⽉31⽇にオープンした。収容⼈数は100席であるが,A,B,Cと三分割できる。⼩さな催しからイベントまで催しの規模に合わせて⾃由に組み合わすことができる。ステージ,スクリーンを常備し,発表会から映画までの実施が可能である。パン作り教室や料理教室,市⺠の⾃主的な企画の場を提供する利⽤は会員登録を原則とのある⼈・ない⼈のだれもが「共に⽣き」「共に働く」社会をめざし,「協働事業所」「共同⽣活体」「就労・⽣活援助事業」を運営していた「わっばの会」(共⽣福祉会)が地域⽣活拠点施設を経営することとなった。とはいえ,地域⽣活拠点施設の機能や構成を引き続き,研究会で検討していった。当研究会の誕⽣の経緯は以上であるが,その構成的な企画の場を提供する。利⽤は会員登録を原則としている。利⽤時間帯は,午前(9:00〜12:00),午後(13:00〜16:00),夜間(17:00〜20:00)の三部に分かれている。2)ソーネカフェ愛知県産の⾷材を⽣かし,健康的な⾷事を提供している。わっぱの会オリジナルのパン「わっぱん」は経緯を反映して多様である。地域⽣活拠点施設を運営する「わっぱの会」,空き住⼾の改修や地域⽣活拠点施設の設計にかかわった建築⼠,地域の協同活動を研究・実践している者,地域で福祉機器普及に貢献している者,地域で健康・保健活動を広げている者,「ゆいまーる⼤曽根」のスタッフ,⼤学の研究者などで研究会を構成した(写真1-2)。を使ったモーニング,⽇替わりランチ,⼣⾷と⼀⽇の⾷事が楽しめる。夏季はかき氷を提供するなど季節に合わせたメニューを提供するとともに,⾼齢者や療養者に配慮したメニューを⼯夫したりきめ細やかな対応を図ったりする。利⽤席数は⼩上がり席を含んだ58席である。乳幼児の遊べるスペースは,⼦育て中のお⺟さんに好評である⾷事の場が憩いとくつろぎ市⺠交流と2.実践活動の⽬的・⽬標2.1⽬的本実践活動は,建物の⽼朽化,居住者の⾼齢化と減少が進⾏する「⼤曽根併存住宅」を対象に,住宅団地内に設置された地域⽣活拠点施設を活⽤し,⼀である。⾷事の場が,憩いとくつろぎ,市⺠交流と学びの場を提供できるように配慮している。3)ソーネショップ焼きたてのわっぱの会オリジナルのパン「わっぱん」,⼦ども向けの駄菓⼦,有機野菜,愛知県の特⼈ひとりの安⼼できる暮らしを感じられる「地域⽣活拠点活動」を模索することを⽬的とした。本活動は「⼤曽根併存住宅」の再⽣のみならず全国各地で進⾏している⼈⼝減少と世帯規模の縮⼩,⾼齢化による地域衰退現象や居住⽀援需要の増⼤に対応し,⼀⼈ひとりの安⼼できる暮らしを感じられる居住を実現する仕組みの構成論理を明らかにする産品,⽇常⽋かせない⽇⽤品,介護福祉⽤品,市⺠の⼿作り品,障がい者事業所の良質な製品など誰もが買いたくなる品々が揃う,他にないユニークな販売スペースである。地域居住者の要望を反映した品揃えを⼼掛けている(写真3-2)。る居住を実現する仕組みの構成論理を明らかにすることも⽬的としている。2.2⽬標地域⽣活拠点施設における様々な活動を通して,様々な⼈々の出会う機会をつくり,団地居住者及び周辺住⺠の暮らしを⽀える拠り所の⼀つと意識されることを⽬標とする。写真3-2「ソーネショップ」

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