2021実践研究報告集NO.1924
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帯転⼊の可能性の⼀つとして「ソーネおおぞね」を訪れる⼈々から転⼊者を迎え⼊れることも⼀つの可能性である。そのために「ソーネおおぞね」を利⽤する⼈々の属性の分析が待たれる。今般の喫緊の課題1.⽣活困窮問題⾼齢化の進展や世帯規模の縮⼩の結果経済⼒や4.介護ロボット「パロ」の効果「パロ」をフロントに設置すると,認知症等を抱える⼈たちの易怒性,抑うつ症状,無関⼼などが改善し,職員の負荷が軽減した。居住者のフロントを訪れる頻度が多くなり,居住者とスタッフのコミュニケーションがよくなった。また「パロ」の効果を実践の場で実証することができ学術研究と実践の往復運動が実現した更に⾼齢化の進展や世帯規模の縮⼩の結果,経済⼒や⽣活⼒が衰え,住まいをも失う⼈々が増えている。こうした居住困窮者と⾔える⼈々への⽣活基盤の提供を⼤曽根併存住宅において提供することを検討しなければならない。2.地域社会との結びつきの構築「ソーネおおぞね」は⼤曽根併存住宅に設置されでき,学術研究と実践の往復運動が実現した。更に学術雑誌への成果の掲載は「パロ」並びに「ゆいまーる⼤曽根」や「ソーネおおぞね」への社会的な関⼼を⾼めている。5.⽣活困窮者の⽀援問題⼤曽根併存住宅の居住者に限らず,⽣活や居住に困窮する⼈々の「ソーネそうだん」への相談が増え団地内との結びつきは強固であるが,地域社会との関係性はまだ薄弱である。⽡版などを作成して「ソーネおおぞね」から情報を提供しているに過ぎない。「ソーネおおぞね」が地域の情報を共有する拠点となり地域社会全体の再⽣に寄与できることが望まれている。現在地域の再⽣を⾒据えた「⼤曽根再⽣会議」が設置されたり商店街への「わっぱの会」の店舗が展開されたりしているこうした活動ている。他の「ソーネおおぞね」利⽤者と⽣活困窮者の間にはつながりが無く,⽣活困窮者を途切れなく「ソーネおおぞね」で⽀えることが困難になっている。居住者への⽣活困窮⽀援の⽅法については今後とも⼯夫の余地がある。6.「ソーネおおぞね」との関係実践活動を通して「団地/周辺/他地域居住者」と地会」の店舗が展開されたりしている。こうした活動の展開をきっかけに地域社会での⽣活拠点施設としての機能を展開させたい。3.活動量の異なる⼈々の地域へのつながり本実践活動を通して認識できた新たな課題を提⽰すると,⽣活困窮者など活動量の異なる⼈々を地域⽣活拠点施設「ソーネおおぞね」を通して地域社会実践活動を通して「団地/周辺/他地域居住者」と地域⽣活拠点施設としての「ソーネおおぞね」との関係が明らかになった。既述したように⼈々の活動量は多様であるが,地理的な距離や関係性のフィルターを介して特徴ある集団に区分される。「暮しびと⼤曽根」育成健康講座の成果の⼀部を次に⽰すと,新聞掲載として2020年11⽉16⽇付の⼀員としてつながりを持たせることと「ソーネおおぞね」での活動の継続,更新である。尚、2022年1⽉15⽇にソーネホールにおいて(オンライン併⽤)「地域コミュニティと「ソーネおおぞね」」として本実践活動報告を兼ねたシンポジウムを開催した。け「中⽇新聞」に活動が掲載された。活動報告として,堀容⼦;アザラシ型介護ロボット「パロ」活⽤の試み, みんなの認知症マガジン,p12-13,No3. 2021.また,研究成果としてThe use of Robotic Pet for a Distributed Service Home for the Elderly: A Case Study in the Elderly People with Cognitive Impairment(Yoko Hori, Ken Kato, Mia Kobayashi, YurikoInoueKechengLaiAkitakaSugishita<研究主査>・岡本祥浩中京⼤学教授・博⼠<研究委員>・堀容⼦(⼀社)ハッピーネット代表理事・博⼠・岡⽥昭⼈Yuriko Inoue, KechengLai, AkitakaSugishita, Yoshihiro Okamoto, SatokoKamiya, and TakanoriShibata)が,Journal of Robotics and MechatronicsにVol.33 No.4, August 20, 2021に掲載された。6.今後の展望と課題早稲⽥⼤学招聘研究員・斎藤縣三NPO法⼈「わっぱの会」理事⻑<研究協⼒者>・福⽥啓次/住⽣活環境研究所福⽥設計・荒川涼⼦/ソーネ⼤曽根総合相談・⼩⽊曽早苗/⽇本福祉⼤学加藤典⼦/⾦城学院⼤学実践活動を終えて改めて認識された課題や今後の活動の展望を⽰す。本実践活動のきっかけは,空住⼾を活⽤した分散型サ⾼住の展開であった。サ⾼住が展開された当初は,若年層の需要も⾒込まれ,若年層対象の住⼾募集プロジェクトも組まれた。1年ほど経過すると,空住⼾の増加が認識されるようになってきた。結局,サ⾼住が導⼊される前と同程度の空き住⼾が⾒られ・加藤典⼦/⾦城学院⼤学・服部豊美/ソーネ⼤曽根ホール・⽯⿊浩⼦/ゆいまーる⼤曽根・⻄尾弘之/ソーネ⼤曽根総合相談*当実践研究報告普及版は『住総研研究論⽂集・実践研究報告集』No.48の抜粋版です。参考⽂献は報告集本書をご覧ください。サ⾼住が導⼊される前と同程度の空き住⼾が⾒られる。空き住⼾を減少させるためには,空き住⼾発⽣の原因と転⼊世帯の増加要因を探る必要がある。加齢による居住者の⼼⾝機能の低下は⼤きな要因となり,「ゆいまーる⼤曽根」居住者においても施設⼊所による退所が発⽣している。⼤曽根併存住宅を終の棲家にする必要な機能を検討しなければならない。世

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