2021実践研究報告集NO.1924
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4.活動の成果・評価1)学んだことや教訓地域再⽣や住宅団地再⽣活動は,ある対象者を想定して企画している場合が多い。その対象者が地域や居住者と適合すれば良いが,そうでなければ居住者への効果は限定的である。本来,居住者や地域にかかわる⼈々は多様であるから特定の⼈々ではなくひとり⼀⼈に対応する仕組みが望まれる「いざという時の頼れる場所ができた」居住者が19.1%から27.3%に増加,「⽣活に安定感が⽣まれてきた」居住者が5.5%から17.3%に増加している。⼀年前の調査と⽐較して「地域の⽣活情報を得やすくなった」という回答の増加が顕著であり,「ソーネ⼤曽根」の活動の効果が顕れていると推察される。ソーネ資源ひとり⼈に対応する仕組みが望まれる。⽇本全体で⼈⼝が減少し,超⾼齢社会となっているが,「ソーネおおぞね」にかかわる⼈々は距離や関係性などのフィルターを通してその特性が際⽴って表れた。地域⽣活拠点施設にかかわる多様な⼈々を活動の程度で「活⼒の⾼い⼈」と「活⼒の低い⼈」に整理すると,「活⼒の低い⼈」として⼀部のソーネ資源「ソーネ資源」は回答者の9割が利⽤しており最も⽣活に密着した機能である。ソーネカフェ「ソーネカフェ」も回答者の9割が利⽤経験を持つが,コロナ禍の影響で3割近くが利⽤を控えるようになっている。利⽤時間帯はお昼(11:00〜14:00)の時「⼤曽根併存住宅居住者」,「ゆいまーる⼤曽根」居住者そして地域の⽣活困窮者が該当し,「活⼒の⾼い⼈」として⼤曽根併存住宅周辺の居住者(⼦の⽗⺟や祖⽗⺟など),地域居住者,その他の地域の⼈々になる。⼤曽根併存住宅周辺や地域居住者の中にも「活⼒の低い⼈」は居るが,地域⽣活拠点施設にかかわる⽅は少ないので以上のように整理できる。間を中⼼に午前中の利⽤が多い。「ソーネカフェ」は「キッズスペースや⼩上がりがあるので⼦連れで⾷事しやすい」「バリアフリーで障がい者や⾼齢者も利⽤しやすい」「多世代が集う開放的な雰囲気がある」というようにカフェ利⽤配慮者にとって利⽤しやすい空間と評価されている。ソーネショップ⼤曽根併存住宅居住者は,「ゆいまーる⼤曽根」をはじめ⾼齢者主体である。「ソーネおおぞね」や団地内での活動はテレビ体操や太極拳などもあるが⾳楽・映画・劇などの観賞や花壇づくりなど⽐較的活動量の少ないものが多い。⽣活必需品の「ソーネショップ」での購⼊や「ソーネしげん」での不⽤品のリサイクルは⾏動範囲の狭い⼈々にとっては⽣活ソーネショップ「ソーネショップ」の利⽤も9割程度あるが,その品⽬はパン類(70%),飲料品など(50%),野菜など(34.5%)⾷料品が中⼼であるが,1回⽬の調査と⽐較して⽣活⽤品などの利⽤(20.9%)が増えている。ソーネホール「ソーネホール」の存在をほぼ7割の回答者が肯定を⽀える重要な役割を担っている。他⽅,催しを企画・提供する⼈々は「活⼒が⾼い」。つまり,地域⽣活拠点施設「ソーネおおぞね」は「活⼒の⾼い⼈」と「活⼒の低い⼈」の両⽅に対応していることがわかる。⼦育て世帯などを中⼼とする周辺居住者の「ソーネおおぞね」利⽤者は,⼦どもに代表されるように豊富な活動量を持っている⼦どもたちは動き回り的にとらえている。コロナ禍の⼀年間はホール利⽤が困難であった。⼀定時間滞在が必要な「セミナー・講座・勉強会」「観劇・落語や映画鑑賞」「⾳楽」などの催しの参加が減少した。他⽅,「フリーマーケットやマルシェ」などの移動しながら短時間の滞在が可能な催しへの参加が増えた。関⼼を集めている催しとして「お祭り」「フリーマーケット」「マルシェ」「リサイクル」など⼈やものを介豊富な活動量を持っている。⼦どもたちは動き回り,⺟親たちは情報を交換するおしゃべりに余念がない。そのためにコロナ禍までは「ソーネカフェ」の利⽤が頻繁で,⾼齢の⼤曽根併存住宅居住者の利⽤を抑制していた。コロナ禍では⼦育て世帯の「ソーネおおぞね」の利⽤が抑制されてきたので,「ソーネカフェ」での⾼齢⼤曽根併存住宅居住者の利⽤が増えてきた。ト」「マルシェ」「リサイクル」など⼈やものを介して多世代(⾃由回答に「孫」という表現がある)の交流が期待されるものがある。また「親⼦ジャズ」などのように⾳楽を介した交流もある。⾼齢者を中⼼に映画,芝居,落語,太極拳やラジオ体操が,⼦どもにとっては移動児童館が楽しみになっているようである。最も活⼒の⾼い⼈々は周辺や他地域から特定の⽬的のために集まってくる⼈々である。「暮らしびと⼤曽根育成」健康講座の参加者に⾒られるようにオンラインであれば全国各地からでも集まってくる。リアルにおいても愛知県内外から参集している。各種の団体やNPOなどの研修会,教室やイベント,お祭りなどへの参加に多くの⼈々が集まるお祭りやソーネそうだん「ソーネそうだん」は半分以上の居住世帯に認知されるまでになったが,利⽤は少なく,その予定も少ない。近隣居住者から相談する程度まで⽣活が困窮したと思われることに警戒しているのかもしれない。祭りなどへの参加に多くの⼈々が集まる。お祭りや「キッズカフェ」「ソーネみんなでごはん」などのイベントへの参加者は周辺居住の⼦どもが集まり,⼦どもにかかわる⼤⼈も集まる。⼤曽根併存住宅居住者は,既述の通り⾼齢者が多く「ソーネおおぞね」で開催されるイベントに必ずしも参加するわけではないが,⼈々が集まって楽し

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