2021実践研究報告集NO.1924
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して飲⾷などを楽しんでくれる。「ソーネカフェ」はホールでの会議にも提供できるので,会議中に飲⾷も楽しめる。2000年以降のコロナ禍のためにこのように⼀⽇「ソーネおおぞね」で楽しむという利⽤の仕組みは維持できなくなっている。3)まちのお宝さがし⼀⼈ひとりの暮らしは住宅団地内の資源だけで成⼈ひとりの暮らしは住宅団地内の資源だけで成り⽴つものではない。⼀⼈ひとりの特性や⽣活が必要とする資源は異なる。⼀⼈ひとりにふさわしい資源を居住地域内に⾒つけて,活⽤できれば安⼼できる暮らしの実現に近づける。また,ある時には必要でない資源でも別の機会には必要な場合もある。⼀⼈ひとりに必要な資源の存在の把握が,居住者の⽣活資本構築に役⽴つ。そこで⼤曽根併存住宅の⽴地する地域の⽣活を⽀える資源「まちのお宝」を探す試みを開催した。第⼀回は,2019年11⽉に中京⼤学総合政策学部岡本研究室のゼミ⽣で実施した。第⼆回⽬は,2020年12⽉に⼤曽根居住研究会の有志で実施した(写真3-8)。発⾒した「まちのお宝」は⼭⽥天満宮露店の発⾒した「まちのお宝」は,⼭⽥天満宮,露店の⼋百屋,公園,介護福祉資源,○○教室,フェアトレードの地域とソーネショップのつながり,⾦⻁酒造,公的住宅団地,まちの駄菓⼦屋などであった。⼤曽根併存住宅の居住者や地域住⺠に「まちのお宝」を紹介し,認識してもらうとともに暮らしを⽀える地域資源に関⼼を持ってもらい,活⽤したり改善したりしてもらいたい。そうした活動を通して⼀前以前は23.6%,⼆回⽬の現在は20.0%),⾃治会・婦⼈会・⽼⼈会などの役員(⼀回⽬は18.2%,⼆回⽬の⼀年前以前は10.9%,⼆回⽬の現在は4.5%))」は低下している。居住者の加齢が活⼒の低下を招き,定住意向を⾼めるが地域活動なかんずく役員を担う⼈ひとりにふさわしいより安定した安⼼な暮らしの実現を期待したい。4)居住者アンケート⼤曽根併存住宅居住者の⼀⼈ひとりが,地域⽣活拠点施設をどの程度利⽤し,暮らしの安⼼をどのように感じているのかを明らかにするために居住者アンケトを実施したアンケトを実践活動の実施写真3-8「まちのお宝」さがしの様⼦定住意向を⾼めるが地域活動なかんずく役員を担う機会を低下させていることが推察される。ソーネ⼤曽根「ソーネ⼤曽根」の利⽤状況を⼆回⽬のアンケート回答で確認しよう。ソーネ⼤曽根の利⽤経験を「週何回」とか「⽉何回」などの頻度で尋ねたが,「頻度」と「回答数」を掛け合わせ,「実利⽤⼈ンケートを実施した。アンケートを実践活動の実施初期とその1年後の⼆回実施することで実践活動などの効果を測定しようとした。第⼀回⽬の居住者アンケートは,2019年12⽉に実施し,第⼆回⽬は2020年12⽉に実施した。回収数はいずれも110票であった。⼊居時においても単⾝世帯が多くおよそ7割が⼆⼈数」に換算して1年前の利⽤⼈数と現在の利⽤⼈数を算出した。そうすると「ソーネホール」の横ばいを除いて,いずれの施設も利⽤が増⼤していることが⽰された。「ソーネホール」は1年前の632回利⽤相当から現在の629回利⽤相当に微減したが,⼈の密集を避けようとする新型コロナ感染症蔓延防⽌措置の影響を受けているとみられる。「ソネ⼤曽根」の開設が居住者にもたらした効までの⼩規模な世帯であったが,アンケート時にはおよそ8割(78.3%)に増えている。この世帯規模の変化は,家族構成の変化に起因しており,⾼齢世代の死亡と若年世代の独⽴がその主因である。第⼆回⽬アンケートの回答者のおよそ四分の三(76.9%)が60歳代以上を占めており,今後とも加齢による家族形態や世帯規模の変化は継続して⽣じるものと考えられる「ソーネ⼤曽根」の開設が居住者にもたらした効果を⼀年前と現在との回答の頻度で評価すると,おおむね居住に良い効果がみられている。⼀年前と⽐べて「外出機会が増えた」居住者が9.1%から17.3%に増加,「友⼈・知⼈が増えた」居住者が4.5%から15.5%に増加,「買い物の利便性が⾼まった」居住者が14.5%から35.5%に増加,「地域の⽣活情報を得やすくなった」居住者が10.9%から20.9%に増加,られる。定住意向(「これからも住み続け,終の棲家としたい」と「元気なうちは住み続けたい」の合計)は⾼い(1回⽬は59.6%,⼆回⽬は75.0%(四分の三))。しかしながら⼀年前と⽐べて「近隣の⼈々との付き合い(挨拶や⽴ち話)」(⼀回⽬は,70.9%,⼆回⽬の⼀年前以前は59.0%,⼆回⽬の現在は63.2%)や「地域とのかかわり(組⻑(⼀回⽬は52.7%,⼆回⽬の⼀年

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