2020実践研究報告集NO.1923
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4.2T邸⾙⽥公⺠館での成功をもとに,次に活⽤できる私有地として10年近く空き家となっているT邸が候補に上がった。⾙⽥公⺠館はみんなが集まる場所として認知されていたが,坂の上に位置しており,⾼齢者には⾏きづらい場所と⾔われていた。T邸は⾙⽥地区のメインストリートとなっている旧奥州街道沿いにある上集落の中⼼部に位置しており誰もとって(意⾒)・T邸をいつでも集まれるような集会所にできるのであれば,坂の上まで登らなくて済むので助かる・トイレが壊れているのを直したい・T⽒に活⽤料を⽀払うなど,使い⽅についてT⽒と話し合う必要がある・鍵も現在はT⽒が管理しており,わざわざ市街地から⾙⽥まで空けにこなければならない誰かが責任を持って鍵をある上,集落の中⼼部に位置しており,誰もとっても集まりやすい。盆踊り⼤会を開催するO公園の⽬の前でもあるため,⾙⽥中⼼エリアとして集中的にり上げていくことができる。加えて,敷地内の倉庫や作業場はまだ使っていることもあり住宅部分の掃除も⾏き届いており,持ち主の許可があればすぐに使えるような状態であった。まで空けにこなければならない。誰かが責任を持って鍵を管理するべき・鍵の管理も含めて,住⺠同⼠の使い⽅のルールを決めていく必要がある・別の世代と話し合えば別の使い⽅のニーズが出てくるはずなのでみんなが気持ちよく使えるようにしたいこれらの議題について解決するため,T邸の使い⽅持ち主のT⽒は元役場職員であることからすぐにこちらの意図を理解し「放置しているよりは⾙⽥宿のために使ってほしい」と活⽤許可をくれた。活⽤料なども含めて,使い⽅のルール,使いみちを議論していくためにも,まずは実際に何度か使ってみて,どんな可能性がありそうか,どんな課題がありそうか,話し合うこととした(T⽒は何もいらないから好きに使ってくれて構わないと話しているものの持について継続的な議論が必要だが,新型コロナウィルスの感染の可能性をなるべく避けるためにしばらく議論が中断してしまっている。今後の⾒通しが⽴たない中で,T邸のみでなく,⾙⽥地区と関わり続ける⽅法について模索する必要がある。きに使ってくれて構わないと話しているものの,持続可能性を考慮すると活⽤料などT⽒にとっても空き家を提供しがいがある仕組みを作る必要がある)。T邸を住⺠たちが使っている様⼦を図4-3,その図⾯を図4-4に⽰す。T邸は住宅道路の間に⼩さな庭があり,その庭を使って前回ワークショップで制作したファニチャーを並べた。夜になって気温が下がってくると,建物の中に⼊り晩御飯を囲みながらT邸の今後の使い⽅について話し合った。数回に渡って住⺠の声を聞いていると,以下のような意⾒が集まった。図4-3 T邸の公的活用の様子図4-4 T邸の公的活用の平面図

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