2020実践研究報告集NO.1922
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2.活動実績2.1状況と分析(2016.10〜2020.9)2016年10⽉の開設から2020年9⽉まで,4年間のマムハウスへの反響,内覧,居住者特性を分析した。葛⻄(2018)によると,シングルマザー向けシェアハウスは全国に30カ所ほど存在する。しかし,それらは家賃設定や⼊居条件はもちろん,付帯されるケアサービスなど多種多様なものとなっている本実表2-1反響媒体集計反響内覧入居反響内覧入居反響内覧入居反響内覧入居反響内覧入居10627221041743341684623616439313107130108324101000001342100000000000100マムハウス2016.10~2020.9反響集計2016.10 ~2017.92017.10 ~2018.92018.10 ~2019.92019.10 ~2020.9反響別合計イン管理不動産HPポータルサイトAポータルサイトBポータルサイトCアサービスなど多種多様なものとなっている。本実践が「住,育,職」⼀体型サポートシェアハウスの在り⽅を展望する事を⽬的に掲げていることから,まずは⼊居,未⼊居にかかわらずマムハウスに魅⼒を感じた層の特性を把握しようと考えた。特に,本実践のフィールドとなる,シングルマザー向けシェアハウス「マムハウス」は,居室に⽔廻りが完備されていること,「住,育,職」⼀体型1000000000001000001110000001110000002911651235803411100100000000200110000000000110000100000000100300000000000300110000000000110110000000000110000332000000332反響媒体ターネットポタルサイトCポータルサイトDマザーポートSNSブログその他メディアテレビ新聞その他電話紹介のサポートを提供する,全国でも珍しいタイプのハウス(※2018年に葛⻄が実施した調査では⽔廻り共有型が全体の9割を占め,保育園併設型の⼀体型サポートハウスは全国で2件しかない。)であることから,それへのニーズにも特殊性があるのではないかと期待した。22反響内覧からみる特性分析00033200000033272351033118491886128821291341004316(%)合計他紹介ついては,住宅以外の仕事や育児⾯のサポートがあって地⽅からの移住でも⾃⽴がスムーズにできるという期待があったと考えられる。反⾯,地⽅在住のシングルマザーがインターネットで問い合せをする2.2反響、内覧からみる特性分析まず,全媒体(⾃社HP,シェアハウス専⽤ポータルサイト,新聞,テレビ,その他)の反響総数は212件である。そこから内覧に⾄ったのが91件,⼊居につながったのが34件である。HPやポータルサイトなどのネット情報からの反響が9割を超え,⼊居も9割を超えている。⼀⽅,テレビの放映や新聞等の掲載からの反響は意外と少なく,⼊居につながるケーシングルマザがインタネットで問い合せをするも,距離,時間,⾦銭等の問題で内覧まで⾄らないケースも半数以上あった。(表2-2)207520452103埼玉神奈川東京東北地方北海道流市首都表2-2反響地域集計スはゼロだった。メディア露出によるシングルマザーへの情報拡散は期待する結果は得られなかった。また,NPO法⼈全国ひとり親居住⽀援機構(旧全国⺟⼦シェアハウス会議)が主体運営するポータルサイト「マザーポート」へは2018年10⽉より情報掲載をしているが,他のポータルサイト等と異なり,シングルマザーに特化したポータルサイトである強みから直近1年間の反響総数の約8割を占めているなお全国のシェアハウスに共通している点とし812897110380中国・四国地方22九州・沖縄地方636111934:反響:入居   (人)海外合計千葉流山市その他近畿地方中部地方その他関東居住地圏から,直近1年間の反響総数の約8割を占めている。アクセス数も年々増加しており,ネット検索で部屋探しをする⼊居者特性が⾒て取れる。(表2-1)データには表れていないが内覧を予約するも当⽇にキャンセル,もしくは連絡が取れなくなるケースも珍しくない。他のシングルマザー向けシェアハウスの運営者からも同様の声は聞く。単⾝者向けのシェなお,全国のシェアハウスに共通している点として,相談時点で離婚協議中というものが56.2%と半数以上を占めた。そのほかは,離婚や未婚⺟⼦であり,死別はいなかった。地⽅からの⼊居,相談時に無職という場合がほとんどで,それが故⼀般の不動産業者から貸し渋りにあったというケースも多い。そういったケースが,就労や育児⽀援に期待して⼊居を決めているというアハウス運営者にヒアリングしても同様であった。⼀般賃貸住宅に⽐べシェアハウスは様々な意味で「軽い」印象を持たれているのではないかと考えられる。⼊居に関しても申し込み後にキャンセルとなる事が多いのも特徴と⾔える。地⽅からの問い合わせが多いことも特徴の⼀つである居住地を可能な範囲で聞き取りを⾏い119件の事実が確認された。また,相談者の同伴児童の数は67.2%が1名である。⼦供の年齢も未就学児が76.6%と圧倒的に多い。但し,マムハウスは⽔廻り共有型であるため,⼦ども2名以上で⼩学⽣の兄弟,姉妹というケースも相談によっては引き受ける事もある。同伴児童が0歳から2歳のケースが518%と半数以ある。居住地を可能な範囲で聞き取りを⾏い119件の状況が把握できた。これによると,ハウスのある千葉県内からの問い合わせは36件(30%),千葉県以外の⾸都圏からの問い合わせは35件(29%),残る48件(40%)は東北,近畿,九州,更には海外からの問い合わせもあった。(※2019年に葛⻄が都内のシェアハウスで実施した調査によると、都内からの問い合わせが73%、⾸都圏が86%であった)これに同伴児童が0歳から2歳のケスが51.8%と半数以上を占めている点にも注⽬したい。この年齢の保育園⼊園は依然厳しい状況が続いており,住まいの提供だけでは救えないと⾔える。(表2-3)

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