2019実践研究報告集NO.1825
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【発災後】⾃⼰点検⽤アセスメントシート熊本地震では,国・県・市・社協・専⾨性のあるNPO等が「⽕の国会議」を⽴ち上げ,避難所環境改善に向けて118避難所全てを対象にアセスメントを実施した。そのアセスメントシート⽂8)をもとに,地域の避難所間での⽣活環境および運営状況の格差を解消するため,同⼀の評価基準で避難所を評価するアセスメントシートを作成する熊本地震のアセスメント避難所のアセスメントシート【目的】避難所の運営と環境を評価するためのチェックシートです。避難所運営は避難者である住民が中心に運営を行うことが理想的ですが、その避難所の状況等に適した運営が行えていると良いです。【使い方】小項目の問いに対し、当てはまる回答に○をつけてください。また、その現状や工夫していること等について自由に記入してください。■記入日年月日()時分■避難所(施設)名■避難所開設日年月日()■記入者氏名■ヒアリングさせてもらった■ヒアリング時の避難者数人表3-3避難所アセスメントシートントシートを作成する。熊本地震のアセスメントシートは⽣活環境改善に特化していたため,表3-1・表3-2の避難所運営チェックリストから,運営に関わる項⽬を抽出し,追加したものが表3-3のアセスメントシートである。避難所運営と⽣活環境とを共に評価できる⾃⼰点検⽤シートとした。避難所デザイン要件25アリングさせてもらた人の氏名(任意)■ヒアリング時の避難者数人大項目中項目小項目回答ライフライン電気設備1 電気が使えるかYesNoガス設備2 ガスが使えるかYesNo水道設備3 水道が使えるかYesNo燃料等4 防寒用の燃料の管理は十分かYesNo避難避難所運営とコミュニティ形成5 避難所運営者は決まっているかYesNo6 住民(避難者)が避難所の運営に参画しているかYesNo7 避難所運営委員会等による運営は機能しているかYesNo8 避難所運営委員会等による会議は開かれているかYesNo9避難所の雰囲気はどうか良い悪い他の施設でも⽔平展開可能である⼤規模避難所としての施設(ハード)と運営(ソフト・スキル)の要件を「避難所デザイン25」として整理した。図3-3に⽰す。4総括と今後の課題・展望本実践活動では茨城県K市の⼤規模公共スポツ難所運営9 避難所の雰囲気はどうか良い悪い10 避難所内でコミュニティは形成されているか(たとえば居住スペースごとに共同生活を営むグループが形成されている、グループリーダーがいるなど)YesNo運営者以外との連携11 常駐する行政職員がいるかYesNo12 情報の引き継ぎと共有はできているかYesNo避難者の把握13 避難者数は把握しているかYesNo14 車中泊の車があるか(Yesの場合、台数を記入)台No避難者名簿15 避難者名簿があるかYesNo避難所のレイアウト16 避難所の区画はされているかYesNo17 居住スペースに間仕切りが使われているかYesNo18 食べるところと寝るところが分かれているかYesNo19 寝起きする場所に110cm以上の通路が確保されているかYesNo20 土足で生活スペースに入ることが禁止されているかYesNo本実践活動では,茨城県K市の⼤規模公共スポーツ施設を対象に,設計段階から,⼤規模避難所運営のあり⽅を検討し,想定される課題の洗い出しを⾏い運営主体にチェックリスト等を元に提案,マニュアルでの運営計画の重要性を指摘,運営主体とともに運営⽅法の具体化と責任主体の明確化,訓練や運営体制づくり等の実践を進めるという取り組みを⾏ってきた。K市での実践活動の取り組みとそれらによるのレイアウト・居住環境避難者の生活スペース・寝床の環境21 大人一人当たりどれ程のスペースが確保されているか1畳以上1畳未満22 毛布だけを敷いて寝ている人がいないかYesNo23 足腰が悪い人のための寝具(段ボールベット等)が使われているかYesNo女性・乳幼児等への配慮24 女性専用の着替えスペースがあるかYesNo25 女性専用の物干しスペースがあるかYesNo26 授乳専用スペースがあるかYesNoペット対応27 ペット同伴の避難者と一般の避難者は部屋が分かれているかYesNo洗濯の場所28 避難所で洗濯ができる環境があるかYesNo情報伝達29 行政や運営から避難者への情報周知は行われているかYesNo30 避難所内に避難者へ向けた情報掲示板はあるかYesNoトイレの個数を教えてください進展や効果のイメージを表4-1に⽰す。表4-1の上の各項⽬に対して,各回議事録に市職員や施設管理者から積極的な発⾔が⾒られ,その後の活動に進展があった場合に◎,積極的な発⾔があった場合に〇,消極的な発⾔や現状の問題に対する消極的な発⾔があった場合に△を記載した。また,ワーキング以外の活動・出来事に関して同様に記載するとともにイベント実施による施設の知名度トイレ個数31 トイレの個数を教えてください男性常設和式基洋式基小便器基仮設和式基洋式基小便器基女性常設和式基洋式基仮設和式基洋式基共用常設和式基洋式基小便器基仮設和式基洋式基小便器基32 トイレの個数は避難者数に対し十分かYesNo手洗い場33 手洗い場があるかYesNo34 (濡れた手を拭くための)ペーパータオルがあるかYesNo衛生環境35 トイレ内にゴミ箱が設置されているかYesNo36 屋内トイレにトイレ専用の履物(スリッパ等)が使われているかYesNo37 トイレ掃除は1日1回以上行われているかYesNoするとともに,イベント実施による施設の知名度アップのように,予想される効果については括弧書きで⽰した。防災マニュアル改訂に関してはWG活動開始以来,地道に推進してきた⼀⽅,市職員や施設管理者の意識・⾏動の変化に関しては,施設の運営開始時期,及び,台⾵への対応をふまえて進んでいったと考えられる。避難所運営体制づくりに関して,2018年度に各地のNPOを訪問し,今後,具現化要配慮者への配慮38 高齢者等に配慮されているかYesNo物資・食料物資の管理・配給39 必要物資は避難者数に対し足りているかYesNo40 希望した物資は届いているかYesNo41 物資の管理場所はあるかYesNo42 物資の配布方法は決まっているかYesNo食料の配給43 食料の管理場所はあるかYesNo44 食料の配布方法は決まっているかYesNo45 行政から、おにぎりやパンの食事の配給があるか(Yesの場合、配食の時間帯について具体的に記入)YesNo46 配給以外に民間の炊き出し等(温食)が行われているか(Yesの場合、炊き出しの頻度を過去1週間を例に実施した回数を記入)YesNoしていく予定である。市⺠への施設PRは,施設のオープニングに向けて推進されたが,市⺠の防災リーダー育成については進んでおらず,今後の課題である。⼤学研究者と建設会社の研究員,設計者,現地担当者が関わることにより,これまでの⼤地震での避難所運営者へのヒアリング調査の実施,調査結果をふまえた設備計画への反映調査結果をふまえた避47 炊き出しのための人数把握や提供方法は決まっているかYesNo救命救護・感染症対策・健康衛生管理救命救護48 避難所に救命救護の対応や発見・把握する体制はあるかYesNo避難者の健康把握49 看護師や保健師が常駐または巡回しているか(Yesの場合、駐在か巡回か記入)YesNo50 避難者の健康状態を把握する仕組みはあるかYesNo健康の維持・管理の周知51 衛生環境の徹底や周知はされているかYesNo52 感染症予防のために消毒等の工夫や周知は行われているかYesNo53 エコノミークラス症候群の予防を行っているかYesNo避難所内の衛生管理54 手の消毒液があるかYesNo55 換気をこまめに行っているかYesNoゴミ収集56 ゴミが分別されているかYesNo57行政からのゴミの回収がされているかYesNoふまえた設備計画への反映,調査結果をふまえた避難所運営体制の提案,避難所運営体制を考慮した事前の専⾨NPOとの連携への着⼿を⾏うことができた。但し,当初の狙いに⽐べると,マニュアルの⾒直しなどは計画通りには進まず,提案していた市職員の防災研修が実施できていないなど,残された課題も多い。今後も,引き続き,実践活動として粘り強く取り組んでいく必要がある。57 行政からのゴミの回収がされているかYesNo入浴58 入浴を希望する人が三日に1回以上、風呂に入れているかYesNo女性・要配慮者等への配慮要配慮者等の把握59 妊産婦、乳幼児、身障者、高齢者等の配慮が必要な人を把握しているかYesNo女性・性差への配慮60 物資に女性や乳幼児向け用品が含まれているかYesNo61 トランスジェンダー等への配慮はされているかYesNo外国人への配慮62 外国人への配慮はされているかYesNo防犯対策63 防犯の取り組みは行われているかYesNoボランティア64 ボランティア団体は避難所に入っているかYesNo特に伝えたい点小項目の番号では、無印:最低限達成してほしい標準的事項、セルの網がけ:より質が高い高水準事項を示す

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