2019実践研究報告集NO.1825
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さらに,K市スポーツ施設において⼤規模避難所運営を⾏う運営体制の提案,及び,実際の災害時に⽀援可能性があるNPO団体との連携を⾏う。3得られた成果3.1実践活動で得られた成果初動対応・避難所運営マニュアルの改善対象施設では,専⽤の「初動対応マニュアル」⽂2)と「避難所運営マニュアル」⽂3)の2種類を作成することになっており,実践活動の開始時に当初案が作られていた。この案では,責任主体が不明確,誰が⾏うのかという主語が明記されていない,津波時の1万⼈の避難に対する記述が乏しい,1万⼈の避難に関して受付で名簿を記⼊して受け⼊れるといった⾮現実的な記載がされている,等の幾つかの課題があった。また,元々K市では全避難所を対象とした「K市避難所運営マニュアル」があり,本施設の「避難所運営マニュアル」⽂4)は「K市避難所運営マニュアル」を参照する必要があった。それらの課題に対してWGでの討議を通じて改善写真3-2 幼児向け紙芝居:地震の時の身の守り方それらの課題に対して,WGでの討議を通じて改善を働きかけた。まず,避難所の開設・運営の判断について責任主体の明確化を⾏い,市職員にも認識してもらうようにした。避難者による⾃治への移⾏⽅法についての記載がなく,避難所運営委員会の参加者にNPO等の記載がなかったため,運営主体の時間的変化に伴う役割分担について明記するようにした。また,津波時の1万⼈の⼀時避難と中⻑期の2000⼈収容に関する書き分けと,それぞれの場合の部屋の開放順を記載した。当初,2000⼈を収容する計画にもかかわらず,数百⼈規模を収容するような⼀般的な避難所運営計画が⽴てられていたことから,⼤規模避難者への対策の不備を改善するよう働きかけた。防災プログラムの導⼊K市スポツ施設は防災アリナと名付けられK市スポーツ施設は,防災アリーナと名付けられ,施設名称に「防災」が含まれている。しかしながら,当初,施設開業イベントでは,開館式典と各種スポーツイベントのみが計画されていた。そこで,開館式典の記念講演では,本施設の災害時を想定したハード⾯の紹介と⽇常・⾮常時の利⽤⽅法に関する内容の追加を提案するとともに,⼦ども向け防災教育プログラムを⾏うNPOのイベントや,写真3-3 施設の災害時利用設備と使い方の紹介⽇本⼥⼦⼤・清⽔建設による防災紙芝居等を開催した。(写真3-1〜写真3-4)写真3-4 オープニングイベントでの防災プログラム開催案内写真3-1 オープニング記念講演にて防災設備・機能を紹介

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