2019実践研究報告集NO.1825
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画を,施設建設段階から⾃治体・施設管理者等関係者の間で検討し,実装していく実践的活動である。⼀時避難者で1万⼈,中⻑期避難では2000⼈の避難者を収容することが想定されていることに対して,想定に適合した防災マニュアルを作成することが⽬的の1つである。1はじめに1.1背景と⽬的茨城県K市で建設中の公共スポーツ施設は,災害時の地域の防災拠点として位置づけられている。津波避難の場合は⼀時避難場所として1万⼈,中⻑期避難では2000⼈の避難者の収容が⾒込まれており,⽇本でも他に例のない⼤規模避難所として整備が進められている2活動の⽅法と狙い・内容本実践活動に取り組むにあたって,K市に働きかけて,K市(施設管理課,防災安全課,⽂化スポーツ課,社会福祉課)の各担当者,PFI事業の指定管理者である特定⽬的会社(SPC)の施設管理・運営担当者,及び,⽇本⼥⼦⼤学・清⽔建設のメンバーで避難所運営マニュアル・ワーキング(以下,WGと記す)を設⽴し,いる。避難所の運営は避難者住⺠が主体となることが望ましい。しかし⼤規模な避難所では当初からの住⺠⾃治による運営は困難であり,指定管理者による統括や専⾨的な知識をもつNPO組織等による市に協⼒する中間⽀援を想定した組織化が必要であることを前報⽂1)で述べた。そこで本報では数千⼈規模の⼤規模避難所における円滑な運営モデル構築に向けて,避難所施設の2018年5⽉〜2019年10⽉まで計16回のWGを開催した。WG活動の狙いの1つは,作成が求められている「初動対応マニュアル」「避難所運営マニュアル」の内容を,本施設で想定されている⼀時避難1万⼈,中⻑期避難2000⼈に適合した具体性のあるものに書き換えることである。また2000⼈規模の⼤規模避難所運営を他施設でも運営にあたる市職員と茨城県K市のスポーツ施設において実践を⾏うとともに,成果の汎⽤化に向けたツールの構築を⾏った。1.2対象施設本実践活動は,茨城県K市,及び,K市の防災公園内に⽴地する⼤規模公共スポーツ施設である防災アリーナを対象とする(図11)本施設は2016年基本設また2000⼈規模の⼤規模避難所運営を他施設でも展開できるようチェックシート等の運営ツールを作成する。ナを対象とする(図1-1)。本施設は,2016年基本設計・実施設計,2017年建設⼯事着⼯,2019年3⽉竣⼯,同6⽉に運営を開始した。住⺠主導型の避難所運営の計図1-1対象施設の1階平⾯図と災害時利⽤計画

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