4.4製畳実践研究成果の展⽰・広報⽤に,半畳2枚を置き畳として製畳した。830×830×30mmのボード床とし,⼀部⼿縫いした。製畳作業は,地元で100年近く続く髙橋畳店(福⼭市新市町)に依頼した(図4-5)。中継表の多くは京都などに流通するため,現在,備後地域で中継表を付けた(製畳した)経験のある畳屋はほとんどなく,貴重な存在である表⾯の中継部分を湿らせた後裏5. 3DCG制作5.1⼿織中継織機先述の通り,⼿織中継織機については,来⼭式⼿織中継織機を実測し,本課題開始前に全てのパーツの図⾯化・3DCG化を終えた。2018年7⽉に⽂化財畳保存会が制作したDVD⽂12)のためにCGを提供した(図5-1)。その際に,改めて⼩⼿(コテ)断⾯CGの精度を上げて制作した貴重な存在である。表⾯の中継部分を湿らせた後,裏⾯の中継表特有の髭をむしり取る。将来の製品開発も視野に⼊れて,既製品の市松模様の縁を選定した。髙橋畳店は,瀬⼾内島嶼部の「百島商店再⽣プロジェクト」(商店+ゲストハウスへのリノベーション)においても,8畳+6畳の中継六配の製畳実績がある(2020年1⽉竣⼯,⼀般社団法⼈⾐⾷住イノベーション協会+株式会社MNAアトリエ⼀級建築⼠事務所と福⼭⼤学作した。備後地域遺産研究会の協働事業)。図5-1 コテ断⾯CGと収録DVD(出典:⽂献12)CG制作:⼤岩智之他(備後地域遺産研究会)図4-5 中継表の髭むしりと縁縫い
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