2019実践研究報告集NO.1823
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3.5交換・修理部品フレームは洗浄して,サビ取りし,塗装しなおすことで問題なく使える状態であった。しかし解体後,レバーやギア,カム,巻取部など可動部の各パーツは想定以上に傷みが激しいことが判明し,その多くを修理,交換した。⽷を操る針の付いた,掛物部(ツム・オサ・ジシメ)と呼ばれる精密部品もそれぞれ交換した(図3-8)送り出された藺草が通るイ道部は修復可能と思8)。送り出された藺草が通るイ道部は,修復可能と思われたが,解体後に針との位置ずれが判明し,新たに作り直すこととなった。藺草を送り出す最重要パーツである,イ分部とロールは当初から交換予定であり,これも交換した。図3-9 3分割されたツムの上下(正⾯)とその駆動部(背⾯)し防⽌装置は実装しなかった。また,打ち込みの密度や織り上げ枚数も電⼦制御できるが,⼤量⽣産を前提としないため,今回は実装しなかった。図3-8 イ道部と巻取部装着(上)協⼒業者と共に試運転(下)3.6動⼒中継織機の特徴動⼒中継織機のメカニズムの最⼤の特徴は,中継部分を織り上げる3分割された上下のツム中⼼部と,⼼臓部であるこの6パーツを連動させる駆動部である(図3-9)。この駆動部の再製作は,コスト⾯で難しい。それ以外は,通常の引き通し織機の仕組みとあまり変わりないりない。3.7近接スイッチと電⼦制御⼭園織機(中村機械)が開発した,藺抜け(⽚打ち・空打ち)防⽌装置,中留まり(途中⽌まり)防⽌装置の4つの近接センサ(誘導型近接スイッチ)と,2つの制御基板を実装した。挿⼊された藺草の太さを感知する2重挿図3-10 右側2つの近接スイッチと2つの制御基板

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