2019実践研究報告集NO.1822
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3)既存集落の互助・災害時等拠点の構築K⽒は,既存集落藤⼼に住む農家であり,以前からみちくさ亭の活動に着⽬していた。集落内の⾃治機能の弱体化に伴い,新たな助け合い,特に災害時の拠点が必要だと考えていたためだ。レンタルファームの試みを通して,まずはみちくさ亭の認知度を⾼めたいと考えた。3.2活動の概要1.5坪の畑を10セット準備し,枝⾖・ジャガイモ・トウモロコシを育てるオーナーを,料⾦1000円で募集した。チラシはみちくさ亭で配布する他,近隣に200部ポスティングした。募集⼈数の10組に達したがみちくさ亭を利⽤する中⾼年層が中⼼であり,ターゲットの徒歩圏親⼦の申し込みはなかった。図4-1 利⽤者のアクセス⼿段しかしながら,ランチを利⽤する若年層2組が申し込み,スタッフを含め,全部で4組の親⼦が参加する形となった。3.3活動の評価に関するアンケートの結果収穫祭に参加した14名から回答を得た。このうち10名は秋冬も継続を希望した。また種まき会から収穫祭までの12週間に最⼩2回最⼤で毎週畑を訪穫祭までの12週間に,最⼩2回,最⼤で毎週畑を訪れていることがわかった。ただし,みちくさ亭に寄らずに畑だけに訪れた者も2名いる。うち1名は,仕事の都合で定休⽇しか活動できなかったことが理由であり,⼟⽇や夜間の活動を希望している。また,畑道具の貸し出し希望も聞かれ,庭の物置を活⽤して貸し出すこととした。図4-2 利⽤者の⽴場本⼈4.みちくさ亭の利⽤者の特徴とその効果取り組みの効果や,みちくさ亭の利⽤者特性を捉えるために,リノベーションを実施した2018年9⽉より,⽉〜⽊曜⽇,⽉最⼩8⽇・最⼤18⽇間のカフェ利⽤者(スタッフ7名を除く)の⽴場やアクセス⼿段について記録をとった。アクセス⼿段を調査したのは近隣居住者か否かを捉える上でスタッフケアラーしたのは,近隣居住者か否かを捉える上でスタッフの⽬視で確認可能であり,利⽤者の抵抗感なくできると考えたためである。4.1リノベーション前後の利⽤者の実態1⽇あたりの利⽤者数は20⼈前後で推移しており,お披露⽬会直後の11⽉は⼀時的に増えている(図4-1)。アクセス⼿段別では,2018年9,10⽉は徒歩平均8.3%・⾃転⾞12.5%に対し,2019年11⽉以降は,徒歩13.5%・⾃転⾞16.3%であり,特に徒歩が増加している。⽴場別に捉えても本⼈やケアラーに同様の特徴が⾒られる(図4-3)。つまり,近隣に居住する本⼈やケアラーの利⽤が11⽉以降に増えていようことがうかがえ,⼀定程度リノベーションの効果があったものとみられる⼀般ものとみられる。しかしながらその後,ケアラーは,1⽉から4⽉にかけて徒歩や⾃転⾞の割合が減少するに伴い,1⽇当たりの平均⼈数も減少,その後5⽉以降元の⽔準に戻る等安定するわけではない。また本⼈・ケアラーとも2019年8⽉は2018年9⽉並みに,徒歩や⾃転⾞利⽤が減少する。この⼀因には,気候の影響もあるものと推測される。図4-3 ⽴場別アクセス⼿段、新規割合、平均⼈数

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