2019実践研究報告集NO.1822
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空き家活⽤型ケアラズカフの実践研究報告No.1822 空き家活⽤型ケアラーズカフェの地域浸透・連携の拡⼤―みちくさ亭を中⼼としケアラーサポートの定着を⽬指す実験―家族介護者であるケアラー⽀援の拠点づくりを進めるケアラーズカフェ・みちくさ亭において,地域連携の強化と⽔平展開に向けた課題検証を⽬指した実践である。1.開放型リノベーション、2.地域住⺠発案の利活⽤により近隣利⽤者増など定の成果を挙げた筑波技術⼤学講師/梅本舞⼦布川佐登美、⼩林秀樹住⺠発案の利活⽤により,近隣利⽤者増など⼀定の成果を挙げた。また地域の居場所として⼀般利⽤者も居ることが,多様な役割や効果を循環的に⽣み出していること,空き家活⽤であることが,利⽤者の主体的かつ⽇常的な場づくりを可能にしていることを⾒出した。さらに,3.運営者へのアンケートや座談会を通して,運営形態は常設型カフェが望ましいが課題も多いため,住み開きによるお料理教室⽅式や,飲⾷店との連携も拡充されるべきことを明らかにした。1.1活動の背景と⽬的・意義1.背景と⽬的本プロジェクトは,空家となった茅葺き⺠家を再⽣する試⾏を通じ伝統⺠家の現代的な持続に向け⽣する試⾏を通じ,伝統⺠家の現代的な持続に向けた課題の抽出および地域居住者や技術者と研究者が連携した新たな体制の構築を⽬指すものである。茅葺き⺠家は,葺き替えという定期的な営みを前提とすることから,現代における持続には難しさがある。それらが⽴地する地域は過疎⾼齢化に直⾯している場合が多く,管理主体を失った空家が朽ちるのを待つような状況が⾒られる。写真1-1気仙沼⿃瞰写真福岡県うきは市「新川⽥篭地区」には茅葺き⺠家が数多く残っており,2012年に重要伝統的建造物写真1-1 <内ヶ原の家>外観群保存地区(以下重伝建地区)に選定されたし福岡県うきは市うきは市東京都市⼤学⼩林茂雄ぼんぼり環境計画株式会社⾓舘政英外観群保存地区(以下,重伝建地区)に選定された。しかし、本プロジェクトの対象地となる内ヶ原集落(図1-1)は,新川⽥篭地区内にあって重伝建地区の線引きから外れた集落である。われわれは,2008,2009年にうきは市の依頼により重伝建の選定に向けての実地調査を担当したが注1)⽂1),内ヶ原集落とはその時からの交流が続いており,地域づくり活動への協⼒や過疎⾼齢化の進む集落の将来を検新川田篭地区内ヶ原分田重要伝統的建造物群保存地区図1-1プロジェクト対象地区

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