2019実践研究報告集NO.1821
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3.2振動台実験⽤試験体制作とメッシュ取り付け3.2.1 組積体モックアップ作成(図3̶3)ネパールの⼭間部によく⾒られる整形⽚岩と泥モルタルの組積造ノンエンジニアド住宅モデルを模した試験体制作に先⽴ち2018年11⽉より,組積体のモッアップ作成を⾏った。ネパール同様の成型した⽯材は⽇本国内では⾮常に⾼価であり⼊⼿が困難なため⽐較的安価で⼊⼿可能⾼価であり⼊⼿が困難なため,⽐較的安価で⼊⼿可能な割栗⽯とセメントレンガを組積部材として,また⽬地材には真砂⼟の泥モルタルで,組積体の制作が可能か,またメッシュ取り付け⽅法の検討をおこなった。このモックアップ建設により,割栗⽯のみでは壁⾼さ1m以上の組積は難しく,泥モルタルの乾燥硬化にかなりの時間を要することがわかった。組積⽅法組積壁の施⼯3.2.2実⼤組積造住宅制作(図3̶4)2019年2⽉6⽇よりつくば防災科学技術研究所⼤型耐震施設の振動台上で試験体の制作を開始した。モックアップによる施⼯の検討により,セメントレンガ(⻑さ210㎜x幅100㎜x⾼さ60㎜,重さ2.5㎏)を使⽤し,泥モルタルにて組積を⾏うこととした。壁の組積⽅法は,実際の⽯造の組積⽅法に近い,フランス積みの⼀枚積みとした壁厚はセメントレンガランス積みの枚積みとした。壁厚はセメントレンガの⻑⼿⻑さ210㎜になる。泥モルタルの⽬地厚は20㎜としている。また泥モルタルの乾燥状況を踏まえ,⼀⽇の最⾼組積⾼さは,600㎜とした。泥モルタルは,つくば⼭近郊で採取した真砂⼟を使⽤し,平型のモルタルミキサーを⽤いた機械練りとした。振動場にて,2棟の同様の組積造の建物を建設した。建物の平⾯形が3200mm x 3200mm の正⽅形であメッシュ取り付け⽤コネクターメッシュ取り付けり,壁⾼さは2200mmである。壁⾯には,2⾯に腰窓,1⾯に出⼊⼝の開⼝部を設けている。屋根は⽊造⾻組みの亜鉛メッキの波板により設置しているが,壁体とは固定されていないため,4⾯壁の平⾯合成には働いていない。2棟のうち1棟を蛇籠メッシュで耐震補強を⾏った。323蛇篭状メッシュの取り付け3.2.3蛇篭状メッシュの取り付け蛇篭メッシュの取り付けは,組積体の⽬地部分に壁を貫通する形で配した亜鉛めっき針⾦2㎜のコネクターにより緊結される。このコネクターは⻑さと壁厚+100㎜x2(両サイド)として約400㎜を2本使⽤し,横600㎜ピッチ,縦300㎜ピッチの間隔で配している。また蛇篭状の⻲甲メッシュは,⼀枚2400㎜x1100㎜であり,今回は縦使いとした。壁上部から垂れ下げコネクターによるメッシュ取付壁頂部のメッシュ編込みる形で,上部よりコネクターによって壁内外のメッシュを緊結していく。仮⽌めする際に番線を使⽤することにより作業性があがる。またメッシュ同⼠の接合は,重ねることせずに,お互いのメッシュ端部を同系の針⾦で編み込むことにより⼀体化させている。モックアップ全景メッシュ取り付け検討図3-3モックアップ制作メッシュ隅⾓部収まり(外)メッシュ隅⾓部収まり図3-4振動台実験試験体制作とメッシュ取り付け

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