2019実践研究報告集NO.1821
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2.1既往研究2010年より,インドネシア等のレンガ組積造を対象としたジャケッティング⼯法の開発研究を実施してきた。図2̶3にジャケッティング⼯法の概略を⽰す。レンガ等の組積壁をワイヤーメッシュ等で覆い,その上からセメントモルタルで仕上げをすることにより耐震性能を向上させるものである。この⼯法はインドネネシアを中⼼として既に組積造の耐震⼯法として普及ネシアを中⼼として既に組積造の耐震⼯法として普及しており,2019年スラウェシ島地震やロンボク島地震での復興住宅として採⽤されている。2.2メッシュ編み込み形状蛇篭に使⽤されるメッシュは,⻲甲編みがよく使われている。⻲甲編みの優れた点は,万が⼀どこかが破断しても,他に影響が出にくい。それはワイヤーの接図2-3インドネシア⽤耐震補強⼯法概要断しても,他に影響が出にくい。それはワイヤの接点部分が多く,編⽬の⼀つ⼀つに独⽴した強度を備えた⻲甲⾦網独⾃の特徴とされている。今回,メッシュ形状に関して,3種類の編み込みを検討した。図2̶5に⻲甲メッシュのねじり回数のイラストを記す。通常の⻲甲メッシュは3回ねじりである。2回ねじりとの施⼯性を⽐較したところ,3回ねじりワイヤーの縦軸が通るため横段づつの編み込みができるたの縦軸が通るため,横⼀段づつの編み込みができるためテンションをかけ易い。2回ねじりは,ワイヤーが⼀段毎に斜めに移動していくため,テンションがかけづらく歪みやすい。また⼀回ねじりは,メッシュに張⼒がかかると菱形メッシュになる。この形状はテンションがかかっていない状態では形状維持ができないため,建物への施⼯が難しい。この検討により3回ねじりが妥当であると判断し、振動台実験に採⽤するこネパール地組みネパール立掛けフレームじりが妥当であると判断し、振動台実験に採⽤することとした。図2̶6にネパールでの地組みと壁掛けフレーム組みのメッシュ編み込みと,⽇本での編み込み⽅の検討の様⼦を⽰す。日本でのメッシュ編み込み風景亀甲3回ねじりメッシュ2.3ワイヤー(亜鉛めっき針⾦)の要素引張実験引張試験の⽬的は以下2 点である。亀甲3回ねじり亀甲2回ねじり図2-6メッシュ編み込み⾵景①後述の実⼤振動台実験では,ネパール製のワイヤーを⼤量に⼊⼿することが困難であったため,⽇本製のものを⽤いた。現地の材料での実⽤化のため,⽇本製とネパール製のワイヤーの引張強度の違いの把握を⾏う。②メッシュは2 本のワイヤーのねじり部とワイヤー部により⾯を形成している2本のワイヤーのねじり回により⾯を形成している。2本のワイヤのねじり回数による強度を把握するため,下記の実験を実施した。・⽐較実験①:⽇本製とネパール製の⽐較・⽐較実験②:⽇本製φ0.9本数・ねじり有無での⽐較⽐較実験①では,⽇本製(以下J製),ネパール製(以下N製),それぞれワイヤー径3タイプ(φ3.2㎜,2.6㎜,1.6㎜)の各3本計18本の引張試験を⾏った。図2-5 メッシュ網み込み図亀甲1回ねじり菱形1回ねじり(左の変形)

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