2019実践研究報告集NO.1821
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4.構造解析⼿法の考察4.1⾦網の強度⼟⽊⼯事における蛇篭製品を構成する⾦網は,地盤沈下に対応するため,中詰め材の重量に対して⼗分な強度を有していなければならないとされる。そして⾦網の強度Pは,網線の許容引張応⼒σに安全率を考慮したものと線径D,網線の本数nにより,次式により求められるSAP(FEM 解析プログラム)を使⽤した解析結果を以下に⽰す。(図4̶1)次式により求められる。⼀⽅,中詰め材の重量Wは,中詰め材の単位体積重量γと容積Vにより次式により求められる。かごの安定条件は,次の通りである。上記の式をもとに,地震⼒として1Gの加重が蛇篭状メッシュにかかる際の必要耐⼒(鉄筋量)に関して計算を⾏う。・組積体の重量セメントレンガ(⻑さ210㎜x幅100㎜x⾼さ60㎜,重さ2.5㎏)と泥モルタルの組積体の単位体積重量。単位体積重量:1/(0.21x0.1x0.06)x2.5=1984㎏≒20kN/m3・スパン1m,⾼さ1m,壁厚:0.21mの場合の必要鉄筋量重量:(3.0x1.0x0.21)x20kN=13.23kN地震⼒1G相当として1323kNの⾯外の引張応地震⼒1G相当として,13.23kNの⾯外の引張応⼒が必要となる。・今回の⻲甲メッシュ(150㎜,100㎜)を縦横換算すると,縦⽅向@50㎜,横⽅向@100㎜となる。⼀本当たりの必要耐⼒を以下に表す。13.23kN / (1mあたりの本数1000㎜/100mm)=1.323kN・ワイヤー2㎜の場合,断⾯積:3.14mm2.最⼤引張強度(実験より):435N/mm23.14x435=1.365kN>1.32kN ∴OK4.2 構造解析⽅法構造解析で使⽤した材料特性を以下に⽰す。1Mudmortarstonemasonrywall:この解析では,地震結果と同様の⼤変形が解析できている。しかしながら,SAPは⽇本では普及していないため,別の解析ソフトでの解析を試みる。図4-2にNASTRAN(FEM解析プログラム)での解析を⽰左:モデルA(補強あり)、右:モデルB(補強なし)図4-1SAP(FEM解析プログラムによる解析1. Mud mortar stone masonry wall: a. Modulus elasticity = 300Mpab. Tensile strength = 0.056Mpa2. Gabion wire mesh: a. Modulus elasticity = 69,000 MPab. Tensile strength = 435MPa 3. Gabion wall (stone and wire mesh): a. Modulus elasticity = 1.47MPa [3] にNASTRAN (FEM 解析プログラム)での解析を⽰す。実⼤振動台実験の2試験体に対して,1⽅向加⼒,静的解析を⾏った。解析モデルは補強ありと補強ナシ,⽀点条件はピン⽀点とし,⽔平⽅向の地震⼒1.0を作⽤させた。組積体は板要素にて,泥モルタルとセメントレンガを⼀体のものとしてモデル化をした。振動台試験体では,縦横おおよそ30㎝ピッチで蛇籠

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