2019実践研究報告集NO.1821
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3.3 振動台実験⽅法(図3̶5)地震時の挙動を把握するため,JMA神⼾波を使⽤した⼀軸加振を,弱⼊⼒から10%,20%,30%,50%,70%の最⼤加速度583ガルまで加振し2棟の⽐較を実施した。計測は,加速度計4箇所,ビデオカメラ撮影は室内外計27箇所を⾏った。JMA神⼾70%(最⼤加速度583ガル)東⻄より補強なし補強あり図3̶5実験⽤ビデオカメラ配置図3.4実験結果(図3̶6)■既存住宅モデル(補強なし)・JMA神⼾30%にて東⾯,⻄⾯両壁に⼤きくクラック発⽣。・JMA神⼾50%にて東⾯,⻄⾯両壁が⾯外⽅向に⼀部崩壊。東⾯壁の出⼊⼝⽊枠とその上部の組積部分が倒壊。神東が外JMA神⼾50%(最⼤加速度410ガル)室内補強なし・JMA神⼾70%にて東⾯,⻄⾯両壁が⾯外崩壊拡⼤。⾯内壁(北⾯,南⾯壁)に開⼝部よりせん断クラックが発⽣し,全壊に⾄る。■蛇籠状メッシュ補強モデル・JMA神⼾30%にて東⾯,⻄⾯両壁に⼤きくクラック発⽣。・JMA神⼾50%にて⾯外⽅向の壁にクラックが拡⼤。JMA神⼾50%にて⾯外⽅向の壁にクラックが拡⼤。・JMA神⼾70%にて加振時の⾯外⽅向に⼤変形が起こるものの,レンガの崩落が発⽣しなかった。残留変形あり。本実験を通して,蛇籠メッシュによる耐震性の効果を以下にあげる。)脆ぎJMA神⼾70%加振後の試験体状態(補強なしモデル)補強なし1)組積造特有の脆性破壊を防ぎ,組積造の靱性化に貢献している。2)蛇籠状メッシュによる補強は倒壊防⽌に効果的である。⼤変形に追従している。3)組積体を覆うジャケッティング効果として,上部からの組積体の落下を防ぐため⼈命被害を軽減する。図3-6振動台実験実験結果JMA神⼾70%加振後の試験体状態(補強モデル)補強あり

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