2019実践研究報告集NO.1820
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2. 実践の拡⼤2.1 商店街とのつながりと現状試⾏実施の結果,パル・プラザショッピングセンターで開催したポスター展を⾒た近隣の商店街から問い合わせもあり,地域活性化のツールとして広がりを⾒せた。しかし,商店街の実情でもあるが合意形成が取れない状況となり予定していた商店街での開催は中⽌となってしまった。本校の保護者で⼤⽥区役所に勤務する⽅から梅屋敷の商店街がとても興味を1.4 試⾏実施の結果ポスター展を⾒学したお客様からの「パン屋さんをよく利⽤するが,どの⼈が作ってくれているのか知ることができた」という⾔葉は最⼤の成果であったと考えている。普段,店内にいる作り⼿がどのような⼈かを知る機会となり,「この⼈が作っている」という情報を提供できる機会として重要な位置づけにできたまた⾼校⽣が⼤⼈である商店主と⼤⽥区役所に勤務する⽅から梅屋敷の商店街がとても興味を持っているということから本研究につながった1)。2.2 対象商店街の概要本研究の研究対象地である「梅屋敷」は,江⼾時代には梅林が広がる農村であった。現在の第⼀京浜は東海道の休憩所としていくつかの店が⽴ち並び,海苔,梅⼲し,わら細⼯などの名産品が売られていた。「和散中」という薬屋が作ったづけにできた。また、⾼校⽣が⼤⼈である商店主と具体的な⽅法についてミーティングする機会は教育現場として提供することは難しく,本研究のような取り組みによって政策として商店街を考えていかなくてはならないということに気づく⽣徒も現れ,将来の進路として「建築または地域」と進路希望に書く⽣徒も複数名現れたことでキャリア教育にも繋がったと考えている。梅園が⼈気を博し,将軍や後の天皇も訪れる名所となった。これが現在の梅屋敷公園である(図2-1)。明治時代に京浜急⾏の梅屋敷駅が開業すると多くの店舗が並ぶようになり,昭和初期には梅屋敷梅交会が設⽴された。東京⼤空襲で打撃を受けるも復興し(写真2-1),昭和56年には,地域密着の温かみを評価され、東京都「マイタウン構想」の⼀環である「モデル商店街」の第⼀号に指定された。1.5 試⾏実施を受けて商店街を視察試⾏実施で露⾒したのは,全店舗が参加しないということの現実である。その原因は様々ではあるが,平成27年度の中⼩企業庁地域商業⾃⽴促進事業モデルに指定された⾹川県⾼松市の⾼松丸⻲町商店街へ代表⽣徒が視察を⾏い,本事業の⽣徒へフィードバックすることを試みた(写真16)⾼松丸⻲町商バックすることを試みた(写真1-6)。⾼松丸⻲町商店街の理事の⽅から①⺠間による再開発,②銀⾏による⽀援の仕組み,③利権交換の仕組みなどの説明を受け,試⾏実施で⾏った地域が⾏政主体の再開発であり,⺠間主導の再開発とは根本的に異なることを学んだ。また,住⺠合意形成を⽬指す上で,その事業に参加することでどのような利点が得られるかを提供しなくてはならないということに気がついた図2-1研究対象地の位置(Google Mapより作成)コミュニティセンター,カラー舗装,アーチ,街路灯,放送設備などを整備し、地域コミュニティの中⼼となった商店街は⼈が通れないほどの賑わいをみせ以降今に⾄るま様⼦であった。そのため,本研究では,商店街全体のつながりと効果の波及を⽬的に進めていくという課題を明確にできた。図2-1 「中継畳表発⽣の地」と中継表の裏(左)表(右)街は,⼈が通れないほどの賑わいをみせ,以降,今に⾄るまで多くの⽅に親しまれている。梅屋敷駅から東邦医⼤通りまでの全⻑550mに140店舗が営業している。店舗構成として,⾷材・惣菜29店,飲⾷店24店,その他販売27店,サービス46店となっている。写真2-1梅屋敷商店街(S25)梅屋敷駅(S28) (ぷらもーる梅屋敷HP・商店街の歴史)

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