2018実践研究報告集NO.1724
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「遠藤現さま。昨日は、突然の電話にもかかわらず、ご丁寧に対応いただきありがとうございます。さて、岐阜市長良の笠井邸(1955年竣工、岐阜市長良海洋町1丁目32)について写真等をお送りいたします。きちっと撮った写真ではありませんので、ご容赦ください。建築主の笠井唯計(かさいただかず)氏は岐阜県出身で、杉原千畝氏のハルピン学院での後輩にあたる外交官でした。第二次大戦中は満州国外交部に勤務し、ベルリンやカウナスで杉原千畝氏と交流があった方のようです。資料によると遠藤新氏は昭和9年に新京で満州中央銀行総裁邸、10年に満州中央銀行倶楽部の建物を設計されるなど満州で活躍されていました。推測ですが、その頃満州にいた笠井唯計氏と遠藤新氏に何らかのつながりか生まれたのかもしれません。現在の所有者は笠井唯計氏のご子息で東京在住の方です。6月2日(土)に有志が集まって、庭の片付けなどを計画しています。ぜひ、一度岐阜にいらいていただいて、遠藤楽氏のお話をお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いします。柳田良造」●6月2日(土)庭の掃除荒れ放題になっていた庭のそうじを行った。広い庭一面に雑草に繁茂し、敷地境界沿いの木々が伸び放題になっているのを枝刈りし、灌木を切った。15名ほどの方が参加してくれ、建物への関心の高さがあることが判った。建物の保存に向けて今後の活動を展開していく展望と活動団体として「笠井邸をつなぐ会」という会も生まれた。●8月29日対策検討会議1出席者は、臼井、多田、柳田、堀の4名である。その内容は以下の通りである。6月に南側隣地の方から敷地境界の庭木を切ってほしいと苦情があった。また西側隣地の方からも要望があった。笠井氏は近所とのトラブルや煩わしいことにならないようにと考えるようになった。不動産屋の臼井さんの話では、所有者は6月頃は笠井邸の処分を進めて行くことにも理解があったが、8月に入り近隣から庭のことで苦情が更に強くなったことから、早く対応したいと考えるようになった。以前に笠井邸を見学された方も、購入するにはかなりの修繕費用もか図2-1遠藤楽氏設計の住宅解体へ岐阜市の「笠井邸」(岐阜新聞Web 2018年10月5日金曜日)遠藤現氏からの返信メールは、岐阜での取り組みに感謝します。ぜひ岐阜を訪れて笠井邸を見たいと思うが、現在仕事で沖縄に長期出張中であり、残念ながらしばらくは時間がとれないとの返事であった。■遠藤楽⽒設計の住宅解体へ岐⾩市の「笠井邸」(岐⾩新聞Web 2018年10⽉5⽇⾦曜⽇)●6月2日(土)庭の掃除荒れ放題になっていた庭のそうじを行った。広い庭一面に雑草に繁茂し、敷地境界沿いの木々が伸び放題になっているのを枝刈りし、灌木を切った。15名ほどの方が参加してくれ、建物への関心の高さがあることが判った。建物の保存に向けて今後の活動を展開していく展望と活動団体として「笠井邸をつなぐ会」という会も生まれた。まって、庭の片付けなどを計画しています。ぜひ、一度岐阜にいらいていただいて、遠藤楽氏のお話をお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いします。柳田良造」

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