2018実践研究報告集NO.1722
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 「未来の有田」シナリオプロジェクトは地域の担い手が未来の都市のシナリオを描き、それを高度な知識・技術をもつアーティストがアート作品により表現するというものである。以下のように企画を立ててプロジェクトを実施する。① 江越邸などにおいてワークショップを開催し、学生や地域の担い手が地域の資源や課題についてディスカッションすることを通じて未来の有田のシナリオを生み出す。② オランダに縁のある2組のアーティストを招聘する。有田町内外で交流や取材を行ったあと、アーティストは居住地に戻り、ワークショップの成果である未来の有田のシナリオをもとにアートを制作する。有田クリエイターズビレッジ会議はアート制作をサポートする。③ 有田クリエイターズビレッジ会議は江越邸の一室をアートスペースに改装してアート作品を設置し、地域住民を招いて内覧会・展覧会を開催する。④ プロジェクトを広く知ってもらい、地域活性化に役立てることを狙いとしてプロジェクトの記録映像を作成する。なお、アート制作のプロデュースは日蘭建築文化協会、プロジェクトのなかで行うツアーや江越邸をアートスペースに改装する工事は建築士、学生への教育研究の機会提供は大学教員が担当して実施する。4.未来の有田のシナリオづくり4.1 学生の江越邸滞在+ワークショップ(2017.9.14‐16)2017年9月14日からの4日間、東洋大学生4人と佐賀大学生2人が江越邸に滞在し、有田のヘリテージを巡るツアーで発見した有田の地域資源に基づいて、未来の有田のシナリオおよび江越邸の活用方法を検討するディスカッションを行った(図4‐1,図4‐2,図4‐3)。9月16日に開催した第1回「江越邸で未来の有田をいっしょに考える会」では、学生たちが検討した図4-1ディスカッション(参加者:学生)図4-4第1回江越邸で未来の有田を一緒に考える会図4-2有田の生活と観光の資源図4-3江越邸の魅力と活用方法成果を地域の担い手(建築士、有田町役場職員、町会議員、デザイナー、江越邸所有者など)の前で発表し、未来の有田の方向性について意見交換を行った(図4‐4)。意見交換の結果、「豊かな自然と伝統的町並みのなかにある革新的なまち」であること、「生産地であることを生かした新しい観光・人材育成・ライフスタイル」を推進していくことが今後の有田のまちづくりの方向性として重要だろうということが参加者のあいだで共有された。

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