2018実践研究報告集NO.1722
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3.「未来の有田」プロジェクトの概要3.1活動拠点:江越邸江越邸は当時有田町長であった江越米次郎により昭和10年に建築された和洋折衷の住宅あり、有田内山伝統的建造物群保存地区の保存物件のひとつである(図3‐1)。米次郎の父は明治14年に日本初の実業教育機関である陶磁器工芸学校「勉脩学舎」を設立し、英語教育にも力を入れた江越礼太であり、また、昭和の住宅不足の時代には江越邸に有田工業高等学校の教員や生徒が間借りするなど、江越邸は有田焼の近代化や国際的な人材育成に縁のある住宅であるといえる(図3‐2)。現在、江越邸は空き家となっているが状態がよく、所有者は今後の有田の発展を担う人材育成の場として活用することを望んでいる。そこで人材育成の場としての活用の第一歩として、国際的な文化芸術活動を江越邸で行うことになった。3.2プロジェクトの主体と企画概要本活動の主体は「有田クリエイターズビレッジ会議」であり、日蘭建築協会の役員が国際交流、伊万里・有田地区ヘリテージマネージャー協議会の建築士が建築士が建築物の修理・修景、東洋大学あるいは佐賀大学に所属する教員が学生などの人材育成を担当して活動を推進する(図3‐3)。佐賀県とオランダ大使館が推進するクリエイティブ連携・交流や、有田町のまちづくり課や地域おこし協力隊とも連携しながら「未来の有田」シナリオプロジェクトを実践する。図3-3有田クリエイターズビレッジ会議の役割図3-2建物履歴図3-1江越邸

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