2018実践研究報告集NO.1721
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花⾒川団地●⾼津団地東京都市⼤学⼩林茂雄ぼんぼり環境計画株式会社⾓舘政英団地に潜む潜在力を「団地力」と称し、花見川団地と高津団地という昭和40年代に建てられたURの管理する二つの大規模団地を調査し団地の将来を考える実践的研究を行った。具体的な研究活動は①学生との現地調査による発見と提案、②専門家・関係者へのインタビュー、および③研究発表ワークショップを定期的に行い、設計者としての視点から少子高齢化時代の団地再生に展開し得る「団地力」を発掘、視覚化した。「団地⼒」の活⽤による団地再⽣⽅法の実践的研究―40年代⼤規模団地の問題点と解決策を「団地⼒」から検討する―⼯学院⼤学教授/⽊下庸⼦渡辺真理、井関和朗、ジョン・リージャー実践研究報告No.1721 1. 実践的研究の背景と方法「団地」の再生にあたって、「団地にはそもそもある種の力が備わっているのではないか」という仮説の検討から始めることにした。「団地力」という言葉は団地が20世紀後半の日本社会にきわめて特徴的なものであり、日本社会に与えたインパクトをよく理解する必要があるという認識が「団地力」という言葉に込められているように思われる。「実践的研究」については、花見川団地と高津団地のオーナーであるUR都市再生機構と管理者であるJS(日本総合住生活株式会社)と緊密な関係を持ち、必要な情報を共有させていただくことで、われわれの関与が何らかの有効性をもてないかと考えた。2017年6月24日の予備調査と同年8月29日の現地調査を実施した。予備調査は工学院大学木下研究室と法政大学渡辺研究室の学生を総動員したもので学生たちは6グループに分かれて両団地を見て回り、もっとも印象的だったものを色紙にスケッチで図1-2高津団地配置図図1-1花見川団地配置図
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