2018実践研究報告集NO.1720
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図3-1修理前の東側妻面写真1‐3 「その他条例」研究会(2016年9月17日)いる(図3-3)注3)。それらのうち,今回はホメイタ・ナガエ・サジ・コジアケの4種類の道具を作ることにした(図3-4)。ホメイタとナガエは茅を叩いて均し形を整える道具で,ホメイタは平面,ナガエは主に軒先に用いられる。材料には,ホームセンターで杉材を購入して使った。ホメイタは,2枚の板材を貼り合わせ,電動丸鋸で表面に凹凸をつけ,角材を削って作った工法は,素材に茅と杉皮を併用し,破損状況によって使う素材を選択する。屋根の厚みの確保には,杉皮の充填と「トラ葺き差し茅」を行う。「トラ葺き」は茅と杉皮を交互に層状に葺くもので,今回は差し茅を列状に行うことでトラ葺きの仕上がりとする。参加型ワークショップではこの「トラ葺き差し茅」の作業を行う。3.2道具の製作まず,実測を行なった。茅の葺き替えに用いる道具は,大きくタタキ,ハサミ,ハリからなる。タタキは,葺いた後の茅を叩いて揃えるための道具で,使い方や形状によってホメイタ,ナガエ,リョウテヅキなどの種類がある。ハサミは,仕上げの段階で茅を切り揃える際に用いる。屋根面に手が当たらないように柄と刃との間に角度がつけられている。また,軒と平面では刃渡りのちがうハサミを使うことが多い。ハリは,ホコ竹を固定するために縄を屋根の表から裏側に突き通す時などに使う。先端を尖がらせ,そこに穴をあけた形状をしている。その他に,茅葺き道具として,茅を引き抜くヤットコ,差し茅の際に隙間をつくるサジ,コジアケなども使って図3-2東側妻面の断面

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