2018実践研究報告集NO.1719
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表され、県市担当者と各町家を回り打診する。8軒の町家の申請手続きを行う。グループ補助で補助を受けられなかった町家も補助対象となる。(2)第2期:修復工事着工と「地域文化資源活用空間創出事業(九経局)」申請時期(2018年1月~4月)2018年1月末に九州経済産業局が平成29年度補正予算「地域文化資源活用空間創出事業」を募集する情報を得、緊急に応募することを決める。主に外国人の観光客の受け入れを目的として歴史的町並みや伝統的町家の活用が明記されている。4月1日に提出。修正して2次募集に再度提出する(5月1日)が結果的に採用されず。申請内容は①伝統的町家を民泊として活用する②塩屋を高齢者も安心して利用できるUD対応として整備する③歴史資料館跡地を当該商店街のコミュニティスペースとして整備する。情報を一元化して発信する等。これらの具体的整備の検討を小川町商店街振興会と苅萱会と連携しておこなった。結果的に採用されなかったが商工会振興会との連携はこれからの活動に活かされると思う。また2017年秋頃からグループ補助や熊本県未指定文化財補助を申請していた複数の町家の修復工事が少しずつ始まる。磯田はヘリテージマネージャ文4)として各担当の設計士と共に定期的な現場打ち合わせに参加する。図3-3第11回「地域文化資源活用空間創出事業」を検討(3)第3期:歩行者優先の道・歴史資料館跡地整備・シャッターを開けようプロジェクトの始動(2018年5月~10月)これまで検討してきた歴史資料館跡地活用の検討をさらに進める。また歩行者優先のみちづくりについても具体的に行動に移した時期である。また、補助金に頼らないまちづくりの方法を検討していくことを決める。図3‐4第14回宇城市千葉崎さん参加、油津視察を決める図4‐1街なみ環境整備事業菊池御所通り視察4.苅萱会の各目的別活動について4.1菊池・松合視察(街なみ環境整備事業の事例)(2017年10月22日)(1)菊池御所通り視察当該地区は例外的な街環制度を実施している。ビジターセンターの整備と道路の美装化が街環事業で行われ、各伝統的町家の修景事業は「熊本県緑の財団補助」で行われている。町の規模、町家形式も小川町とよく似ている。整備はされているが人通りは少ない。(2)松合視察同じ宇城市にある不知火町松合地区は、港と醸造で栄えた歴史を持つ町である。その町並みの特徴である「土蔵白壁」を松合のまちづくりに活かしていくことを目標に、松合の町並み保存会の活動、まっちゃ朝市などが行われているが、空家が目立つ。朝市は賑わうが、それ以外は閑散としている。民間建築物の修景事業(間接補助)、市主体の事業(道路美装化工事、小公園整備、案内看板設置)を実施した(宇城市資料より)。4.2歩行者優先のみち‐歩いて楽しいまちへ‐第1回苅萱会において、まち全体のことを考える取組としてまず挙げられたテーマである。2001年頃に柏原さん他住民が商店街前の通りのダンプの通行を規制するために地域に働きかけた活動があった。当該計画は結果的に一部の反対があり規制できずに終わった経緯がある。現在はスマートインターができたことや、迂回する市道の道路改良工事により特にダンプの交通量が激減した。しかし当該道路が直線道路のため、一部が通学道路になっているにもかかわらず車がスピードを出して走ることが地域の問題となっている。歩道もない。この問題は現在も継続中であるが、これまでの活動を下記に述べる。4.2.1先進事例(第3回_170905)(1)出雲通りへ至る参道「神門通り」歩行者が主体となり歩行することを図った道路である。神門通りはもともと車両の交通量が多く、歩行者空間を圧迫していたが島根県の整備により改善された。デザインのポイントは車道と歩道の両方に石畳が用いられていることである。これにより車道‐歩道間の境界線が曖昧になり歩行者は従来の歩道に設けられた段差や白線のようなはっきりとした境界線から開放されるのである。こういったデザインが功を奏し歩行者はのびのびと歩行し、車両はそのような歩行者に注意を払いながら減速して通過する「歩行者優先の道」となった。

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