2017実践研究報告集NO.1616
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写真1-3 「その他条例」研究会(2016年9月17日)仮に写真⼊れています良い写真ありませんか本助成事業での実践にあたっては,これまでの運営・経営から明らかになってきた課題に対して,1階に新たなシェアスペース(以下,104号室)をつくることで,活動を推進することを狙った事実本助成期間は2010年以降の活動が今回の実践対象である⻄I棟は管理会社解散時に賃貸経営存続を選び,現在の実践活動につながっている。様々な理由から、偶然にも個⼈所有になったことが,コーポラスはりまの⼤きな特徴である図2-1 コーポラスはりま西I棟ることを狙った。事実,本助成期間は2010年以降の活動が結びつきを⾒せた時期であり,実践期間中に多数メディアに取り上げられるなど,変化があった。2.実践活動の⽬的と⽬標2.1実践活動の⽬的と狙いコーポラスはりま⻄I棟は,先述の通り,特殊な状況下で偶発的に⽣まれた⺠間所有の階段室型団地である。の⼤きな特徴である。1.3活動の経緯と活動主体について管理会社が解散した2009年末以降,⻄I棟の所有者家族である藤⽥武彦(実践委員)を中⼼に,物件の有効活⽤の模索がはじまった。エレーベーターの無い階段室型団地は往々にして4,5階に空室が⽬⽴つ。⻄I棟も例に漏れず4,5階が空室であった。藤⽥は「地域の⼈も含めて,より良い⽣建物の形式的には同様の物件が,⽇本に数多く存在する。そのどれもが築年数を重ね,また空室も⽬⽴つなど有効な活⽤⽅法が提⽰されないままでいる。例えばURが所有する団地は全国に70万⼾以上あると⾔われており,それらをストックといった視点からどのように活⽤するかは,いまだ明確な⽅法が確⽴されていない。またコミュニティをきっかけとした賃貸経営ひいては空室,活環境をしたい」との想いから,空室を活⽤したシェアスペース(共有部)を発想し,2010年から計画をすすめた。2011年には5階2⼾を改修し,hoccoritoという名のシェアスペースをオープンさせた。主査は2009年以降,地域社会圏主義研究会c)に参画しており,共有空間をきっかけとした新たな⽣活について研究をすすめていた。研究を実践すべく,2014年10⽉に⻄I棟に⼊居し活動を開始したまたコミュニティをきっかけとした賃貸経営ひいては空室改善を試みた例は,ホシノタニ団地(神奈川県座間市)や⻘⾖ハウス(東京都練⾺区),⾷堂付きアパート(東京都⽬⿊区)など多くの実践がある。これらの実践は、新築もしくは、⼀度閉鎖された物件を再活⽤している。つまり、⼊居前からその考えに共感できる者が⼊居すると考えられる。本実践では、既存住⼈がいる中で,巻き込みながら進めていることが特筆できる。⼊居し,活動を開始した。活動の最終的な⽬的は,賃貸物件としての⼊居率の改善であり,その付加価値として,コミュニティ・つながりをつくるものである。関係者は,それぞれの⽴場から異なる⽬的・⽬標を持つものの,共通のフィールドで活動をおこなうゆるやかな任意の集団として成⽴している。住総研 実践研究報告集 No.44, 2017年版 普及版 4

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